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2006年7月の1件の投稿

2006年7月16日 (日)

雪の女王(テアトロ・キズメット編)

Photo_6 ■数年前に観せて頂いた「美女と野獣」も衝撃的でしたが、このイタリアの女性演出家テレーサ・ルドヴィコの舞台は、とにかく省いて省いて物語の芯を剥き出しにし、人間の本質に迫る感じがして独特の光を放っています。童話に隠された秘密の部分に光が当たり、特にオトナには「あっ」と声を上げたくなるような発見がある。しかも、こども向けの舞台であっても全体にセクシーな雰囲気が漂っているのは、さすがのイタリア。男と女、これ人生の基本なりですね。■この「雪の女王」が面白いのは、舞台装置が低い土塀や雪見障子を連想させる「和」のテイストで作られていて、篳篥やパーカッションの生音が独特の雰囲気を作り出し、「雪女」と重なってくるところでしょうか。どこか東北の物語のようでもあり、でもやっぱりラップランドでもあり・・冒頭で頭にストッキングをかぶった悪魔たちが出てきた時には、4歳の娘は絵本で慣れ親しんだ世界が予想外のことになっていて戸惑ってもいるようでしたが(笑)、とにかくストッキングで表現した「鏡」はナイスでした!■悪魔の鏡の欠片が胸に刺さっていた「カイ」は、少年が思春期に入り、たとえばヤンキーとかになっちゃったり、年上の悪女(雪の女王)に弄ばれたりして、幼なじみの女の子と疎遠になっている時代の象徴なのかな。「幼なじみ」の男女が結婚に至るまでにはきっと、これくらいの苦難を乗り越えないといけないのだと、アンデルセンは子供たちに教えたかったのかもしれません。■一本筋が通った強い女の子「ゲルダ」には、現代の女性に通じる頼もしさを感じたりもします。200年前にこの女性像を描けたアンデルセンは、やっぱりタダ者じゃないんですね。その後、カイが愛想を尽かされずに「永遠の愛」を全うできたことを祈りつつ・・そういえば、この舞台には物語キーワードの「永遠」という言葉が出てきませんでしたけど(^^;)。故意なんでしょうね、やはり。

■「雪の女王」7月15日~19日(18,19日は貸切)

場所 世田谷パブリックシアター

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