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2007年3月16日 (金)

サン・ジャックへの道

Photo_32 ■詳細についてはこちらの公式サイトへどうぞ。本日は感想のみ。

■思えばあれは「巡礼」の旅だった。まだユーロも携帯も、東京にはカフェもない学生時代、友人メグとふたりで旅行かばんを担いで一ヵ月半の欧州旅行に出た。成人式で振袖を作るくらいなら、そのお金で旅をしたいと申し出たのだ。■泊まる場所は行き当たりばったり。安宿、ドミトリー(寮)、YMCA、ユースホステル、はたまた電車の中・・国際学生証をフル活用した、いわばバックパッカーである。途中何度か家にはハガキを書いたが、なぜか届かず、一ヶ月近く「行方不明状態」だったらしい。一ヵ月後にスペインの郵便局から国際電話をかけたとき、母の最初の一言は「あんた今どこにいるの!」だった。■その旅はイギリス⇒ドイツ⇒オーストリア⇒イタリア⇒途中スイス⇒スペイン⇒フランスの美術館と教会を電車で巡るというもの。電車で国境を越えるたびに通貨を両替したり、小包を送るのに半日郵便局で足止めをくらったり、イタリアからスペインに渡るのに地中海沿いを30時間電車に乗ったり・・・と、若い&貧乏だからこそ成立した旅であった。■20年近く立った今、よく思い返すのは観光名所よりも日常の風景や人々。夜の美術館で熱弁をふるう学生、ザルツブルグのマリオネット劇場の夫婦、セビリアの小さなレストランのおばあちゃん、パリのドミトリーで毎晩すね毛を剃っていた女の子、寝台列車で出会った北朝鮮の女学生、オペラ座スタッフの見事な仕事ぶり、ジプシーの子供たち・・・・数え切れない人たち。おいしい食べ物。そして何と言っても日々の旅で変わっていく自分の心。■就職活動を目の前にして、これから自分がどうやって社会に出て行くのか。どんな仕事に就くのか。その旅を通しながら常に自問自答していたように思う(結局、全然想像もしていなかった人生を歩んでいるわけだけど ^^;)。■メグはしっかりしているし、私の苦手なこと(時刻表や地図を読んだり)が得意だったので、ずいぶん彼女には助けられたし迷惑もかけたんじゃないかと、今にしてみれば思う。あの時期に神様に与えられた巡礼パートナーだったのだろうか。その後ふたりで旅の思い出話をすることもないし、今はあまり会えないのだけど、やっぱり今も友達で、同じ年にお互い女の子の母親になったのが面白いなと思う。■って、何が言いたいのかといえば、この映画を見ながら、ずっとそんなことを思い出していた。近所に国際ユースホステルがあって、いい感じの大人のバックパッカーをよく見かける(外国人の)。旅は道連れ、世は情け。って言葉、あったよね。最近あんまり聞かないけど。いつでも無鉄砲な旅に出られる勢いだけは、一生持っていたいと思う。(機会があるかわからないけど 泣)。あとは娘を旅に出す勇気、かな。

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