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2008年6月の3件の投稿

2008年6月29日 (日)

エミリー・ウングワレー展

007 ■そういうわけで「実物を観よう!」と、家族を誘って国立新美術館へ。点々アート(造語です)&うねうねヤムイモ・・エミリーの’でっかい!’作品からエネルギーを貰ってくる。80歳目前から絵を描き始め、86歳で亡くなる二週間前まで砂漠の中で創作を続けた彼女。アボリジニが生んだ天才画家というけれど、生まれてからずっと天才だったわけではなく、若い頃は先住民族の歴史的苦悩を、そして後半は村の長老としての仕事を体験しながら、打ち上げ花火のように人生最後に才能が爆発したことが興味深い。中でも、死ぬ間際に刷毛で描かれた白っぽい(彼女にしては)小さな絵が印象に残った。「このとき彼女には天国が見えたのだ」と思う。いのちが燃え尽き、昇華されている。使い切っている。■専門教育や派閥や権威や賞賛やお金儲けや性別や・・・・すべてから自由でいられること。まさにアートの理想の姿がそこにある。アート?はたして彼女にその概念があったのかもわからない。ただ衝動に忠実に、描く。本当に、それだけ。シンプルで力強い人生が、すべて作品に投影される。でも「エミリー」という個人は、もはやそこにはない。作品は、彼女を通して絵の神様が降りた証なのだ。

■家に戻ると、ちょうどニャマ・カンテさんからCDが届いていた。ギニアの大地から受け継いだ、朴訥でまっすぐで強い歌声。彼女もまた大地が生んだミューズだなあ、と思う。

■娘とギョウザを作ろうと、冷蔵庫から取り出したキャベツをひっくり返すと、裏にナメクジがはりついていた・・・。いや、基本的に虫とか別に平気なんですけど(ゴキ以外・・)。予想外の襲撃にはパニックです。スーパーで買った野菜には虫がついていないと、いつから決め込んでいたのでしょう。大地から自分の意識が離れている・・・ダメじゃん(><)。

(写真は父の庭で雨に濡れるユリ)

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2008年6月 5日 (木)

トロイメライ

トロイメライ Book トロイメライ

著者:島田 虎之介
販売元:青林工藝舎
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■ずっと探していた作品。やっと手に入れて読めました。シューマンのトロイメライは私も好きでよく弾くので、今年の手塚治虫文化賞が発表されてから、この作品はタイトルを含め気になっていました。

■この物語の主役は「ピアノ」なんだけど、音楽ではありません。壮大なスケールの歴史小説ともいえるし、ファンタジーとも。解説では群像劇がお得意のロバート・アルトマン監督が引き合いに出されていましたが、地球に散らばったピースをひとつの絵にしていくパズルのようでもあります。つげ義春を彷彿とさせる黒の強い絵もそうなのだけど、作者の時間観念や世界感がものすごく独特で、ぼうっと読んでると途中であれれ?という感じになってしまうかも。でも時おりページを引き返して、その時間の流れに身をおいてみると、読後にはまるで手のひらに地球がすっぽりとおさまってしまったような、’大きな感覚’を実感できます(というの、伝わりますでしょうか)。■個人的には、1台のピアノからみえてくるヨーロッパ文化への批評精神や、現代のピアノという楽器のあり方が(それはここ数年、ピアノを通して民族楽器と対話することの多い私も感じていたことなので)とてもとても共感しました。Piano、という言葉そのものの意味。あらためて見直してみたいものです。

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2008年6月 2日 (月)

路上の神様たち

017_3 ■朝刊を見ていたら、神様が亡くなったという記事が目にとまりました。日本橋の、まさにその橋の上で、色とりどりの布人形を作って並べていたおじいさん。それは物すごいオーラのある人形で、私は密かに彼のことを「日本橋の神様」と呼んでいたのです。 ■記事を読むまで知りませんでしたが、その人形は一体100円で売られ、そのほか「ことば」も並べられていたとか。でも私には、その人形を手にとって持ち帰る勇気はありませんでした。それくらい、ものすごい存在感のおじいさん&人形だったから初めて見た時はあまりの衝撃から、ただもう橋の上を行ったり来たり・・・。ホンモノの芸術に出会った時にだけ走る衝撃を、おじいさんの作品からは確かに受けました。■日本橋図書館では今月5日まで、今年亡くなったもう一人の「茅場橋の神様」の作品と共に、その人形が展示されるそうです。オーラのある作品は必ず、作者がこの世から消えても残っていくもの。驚いたのは、赤羽生まれの神様が路上で人形を作り始めたのが東京オリンピックのあった1964年だということ。なんと私の生まれた年ですよ。詳細はこちら→

■路上の神様には、他にも出会ったことがあります。新宿地下道のスタンド付きミラーの前で、毎朝楽しそうにお酒を飲んでいた神様。その風貌と笑顔はまさに「恵比寿様」。あとは20年前、NYダウンタウンのタワレコの前に、コップを持って立っていた神様。彼からは人生の転機ともなるような「言葉」をもらいましたよ。

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■路上の神様で思い出す映画はこの二本。

Photo

ルトガー・ハウワー主演聖なる酔っ払いの伝説

Photo_2 低予算の方が傑作を撮ってる気がするテリー・ギリアム監督の「フィッシャー・キング」。

主演のロビン・ウィリアムスもナイスです!

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