10年前に咲いた花は・・
■このところ連日、どどどっと新しい出会いが続いている。不思議なことにその出会いが全て、自分の過去とつながっている。人生は本当に螺旋階段なのだと思う今日この頃。
■一発録音Peace and Quietシリーズ第一弾の「青い花」は2000年の発売。今から8年前になるが、正確に言うと曲作りは1998年の秋頃から始まったからもう10年前の作品になる。リハ&録音は1999年の6月スタート。そして夏に完成したはずの音源に納得できず、結局最初から録り直すことが決まったのが9月。そこから曲を書き直したり、スタジオを変えたり、なんだかんだと出来上がったのが2000年の3月だった。■完成後は予想以上に沢山の方に聴いて頂けて、あちこちの媒体で褒めて頂いて、再版にもなって、今でもテレビやラジオで使って頂いている。「病気で亡くなった友人が最後に病院で聴いていました」とお手紙を頂いたこともある。本当にありがたいことだし、世の中に溢れた音楽の数の多さや、その入れ替わりの早さから考えても、特に宣伝もしない自主盤のCDが生き残れたのは、もう’奇跡’としか想えない。自分の力を超えた何かが、確かにこのアルバムには宿っている。時には自分の人生に手一杯で、心身共に音楽に向きあう余裕がなくても、すっかり私の手を離れた音楽たちは意外としぶとく、ひっそり今の世の中に咲き続けている。
■実はこの作品。制作に携わった当事者たちは結局誰ひとり合格点を出しておらず、私なぞはつい最近までまともに聴くことも出来なかった。発売当初は一曲目のイントロが聴こえてくるだけで、背中に冷や汗が流れ、頭がズキズキして、気持が悪くなってしまうほどだった。■それが最近やっと、何かが吹っ切れた。それが面白いことに他の当事者も口を揃えて同じことを言っている。「実はいいアルバムじゃないか?」と。今日、本当に久しぶりに家で聴いてみたら、不覚にも涙が溢れてしまった。この涙はいったい何なのだろう?10年前の自分の未熟さへ、そこから始まった思いがけない人生の展開に、ただただ時間の積み重ねに、こうして今も自分が音楽の傍にいることに・・・色々な想いがどっと押し寄せて涙腺が負けてしまった。自分の音楽を聴いて泣くなんて!まだまだ自分の知らない自分がいるんだな、と思う。
■一枚のアルバムを作ったことで、心の扉が開いて、出会うべき人に出会う人生が始まったように思う。10年前はインターネットも世界配信もなかったし、携帯さえ拒否していた。ただ気持に正直に、いい音楽を作りたい!それだけで突っ走っていた。それには伝統の壁を越えて、無理難題を引き受けてくださった坂田梁山さん、エンジニアの今井年春さんをはじめ、このアルバムを愛し支えてくれた多くの方々の存在がある。その方たちに、私はきちんとお礼を言えてきただろうか?感謝と畏れと決意と迷いと。その間を揺れ動きながら、今やっとこの作品を受け入れることが出来て、あらためて皆さんに感謝の気持を届けたいと思います。本当に力を貸してくださって、ありがとうございました。
■今年に入って、アマゾンでは「青い花」の中古が6000円以上の値で取引されていたようですが、まだ新品ありますから!カルタコム、ブルームーン、HMV、タワレコ等のネットショップを是非検索してください。試聴もできます。レーベルから直接ご購入を希望される方は、BEN-TEN Recordsサイトからお問い合わせください。間違いなく、時代を(いや、世紀をか)超えたよいアルバムだと思いますので(ただし残僅少です!)。
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