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2009年4月の10件の投稿

2009年4月29日 (水)

ユズリハの小道

Image416_2_2■若葉が生え揃ってから古い葉が落ちるというユズリハ。なんだか最近とても気になって、どんな風に葉が代を変えるのか知りたかったのですが、今日偶然に見れました。上に若葉、下に古葉。上下にバランスよく、お互いを尊重するように、ひとつのかたちを作っていました(※左写真 クリックで拡大します)。 Image408

Image403_2 Image404(※真ん中に鳥の巣があるの、わかりますか?)

                                         

                                                    

                                              

                                           

■今日はGW初日だったので娘もお休み。練習時間は取れそうにないし、自分もこのところ煮詰まっていたので、思い切って外で遊ぶことにしました。小鳥隊長が将来絶滅するかもしれない「セイタカシギ」を見たいというので、葛西臨海公園の鳥類園に。鳥のいる場所=幸福と静寂がある。隊長のお陰で、とても神経が休まりました。ほんと、一日ピアノに向かって、町に出ると本屋でも商店街でも銀行でも、行く先々でピアノの音が流れている(稀に自分の曲に当たることもgawk)。音楽作りながら町中で暮らすのってシンドイなあと、正直ちょっと挫けそうになってたんですthink

(※まるで印象派の絵のようなお花畑)。

Image415_2 Image406_2                                       

                                   

                                          

                                   

                                    

                                  

                                         

                                             ■久しぶりに雲ひとつない、まさに日本晴れ!タンポポやシロツメクサが咲く芝の上を歩きながら、緑に囲まれていると、やっぱり自然の中にこそ人間の本当の喜びがある!と、しみじみ思います。鳥類園には鳥の観察小屋もあって、念願のセイタカシギをはじめ、コチドリ、クロツラヘラサギ、カワウなどなどが観れました。私は未だに鳥のことはよくわかりませんが、望遠カメラを構えたおじさま達に混ざって、興奮気味に双眼鏡を覗いている小鳥隊長。その傍らで、小鳥たちの歌声を聴いている時間がなんとも幸福でした。対岸にはシンデレラ城が見えるんですけど、目もくれないcoldsweats01Image399_2久しぶりに紫外線浴びまくりで疲れましたが、ナナホシテントウを3回も見つけたし、また絶対に来ようっと思いました。

■今度訪れた時には、ユズリハは、きっと若葉だけになっていることでしょう。(※もう、かけっこは追いつけないよ!)

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2009年4月27日 (月)

精霊を降ろす楽器・ムビラ

《ジンバブエ》ショナ族のムビラ2■昨日は、ジンバブエから来日中のムビラの巨匠・ルケン・クワリ・パシパミレさん(57歳)のライブに行きました(ンゴマ・ジャパニ主催)。情報は先日「笑っていいとも!」にも登場した(らしい?)ニャマ・カンテさんのパートナーで、文化人類学者・鈴木裕之さんから頂きました。■タンザニア伝統舞踊を日本に伝える伊藤宏子さんを始め多くのアーティスト、アフリカに精通している文学者・平尾吉直さんの上映&公演もある、3時間におよぶ濃厚なアフリカン・タイムでした。(一緒だった小鳥隊長にも、アフリカは強烈な印象だった様子。いろんな意味でcoldsweats01

■私がヨガをやる時に聴く音楽のひとつに、アメリカ人ポール・バーリナーが30年前に録音したジンバブエ・ショナ族のムビラがあります(写真はCDジャケ)。現地録音ゆえのリアルな、とても貴重な音源資料です。そしてそのミニマルで奥深いムビラ・ミュージックに呼吸を合わせていると、自分の気持も音楽モードに切り替わっていきます。しかもパシパミレ氏は、そのCDで演奏した今も生存している唯ひとりのミュージシャンだそうです。ジンバブエの寿命が長寿国日本とはかけ離れたものだということが、よくわかります。

■ムビラを初めて聴いた(見た)のは、20年以上前になります。パリで地下鉄に乗っていた時に、背の高いアフリカ系の人が首から大きなひょうたんを下げて入ってきました。最初はお弁当売りかな?と思ったんですけどcoldsweats01、それは’デゼ’という共鳴具に入ったムビラだったのです。彼が演奏しながら車両を歩き始めると、パリっ子たちはポケットから’渋々’小銭を出して渡していました。そして地下鉄がホームに着くと、ムビラはまた別の車両に移っていきました。

■その時は演奏に感動するというよりも、その’光景’がとにかく印象的で(東京の地下鉄ではあり得ないので)、楽器を調べるまでには至りませんでした。■その後、ロンドンにいた田尻幸子さんからカリンバをお土産にもらったり、自分でも手に入れたり、と。今もポロン、ポロンと気まぐれに弾きますが、’音楽’として強烈に意識したのはさらに後。スタッフとして働いていた劇場で「メッカへの道」(ひょうご舞台芸術三田和代主演)が上演された時に、BGMでムビラ(たぶん「仮小屋のための枝伐採」という曲)が使われた時でした。最初の旋律がロビーに流れ始めた時、鳥肌が立ったというか。遺伝子レベルで自分の何かが反応しました。実はこの曲からインスピレーションを受けて作った曲もあるんです。そういえば「生きものの音」の録音時には、真砂さんのカリンバとピアノの共演がありましたが、長すぎて?収録しませんでしたgawk

■ミニマルなループとさわり音がなんとも心地よく、ピアノでこの世界が表現出来ないかと今も格闘中です。’クラシックの耳’には’ご法度’な音も多いですが、そもそも何が基準なのかと。 自分が目指す音楽の場所にも、ムビラはいます。’私’を越えて、音楽で精霊を降ろすという感覚。宗教的でもありますが、とても共感するのでした。

ジンバブエは複雑で哀しい歴史を辿った(ている)国。ムビラが禁止されていた時代もあります。それでも失われない清い魂が精霊を呼び、そして音楽に宿り、聴くものに伝わります。楽器情報はこちらでも。

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2009年4月24日 (金)

深呼吸しましょう。

Image2911 ■それまで真面目に生きてきた人が、たった一度の失敗で将来を失われるような社会ってホント息苦しい。このヒステリックなまでのテレビの騒ぎ方って、なんだろう・・・(しかも、こんなにヘリ飛ばさなくても・・・空がうるさい ><)。そういえばつい最近、国際的な記者会見で酔っ払ってた大臣がいたけど、あの時はここまで騒がなかったはず。ピンチをチャンスに!今後は汚れ役も出来る幅広い役者になって・・是非リベンジして欲しいです。くれぐれも、ご近所迷惑には気をつけてdanger

■9月21日に山梨の森の中で、「生きものの音」メンバー(真砂秀朗・ササマユウコ・等々力政彦)の揃うライブがあります(DALIA主催)。共演には、シタール(伊藤コウロウさん)、タブラ(吉見マサキさん)、ムビラ(トンデライ・ティリコッティさん)等の名手が揃います。インド、アフリカ、インディアン、トゥバの楽器の共演って・・・なんか凄いです。ピアノは、お近くの田中泯さんからお借りする予定。私も今から楽しみです!

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2009年4月19日 (日)

ルーシー・リーとか、ルドヴィコとか。

Image3791■趣味の園芸の後に日曜美術館を見ると、三宅一生が紹介するルーシー・リーだった。あんな風に可愛いおばあちゃんになりたいもんだと思う。

■午後は、来月新宿で公演のあるテレーサ・ルドヴィコ演出「にんぎょひめ」出演者によるワークショップ。新宿子ども劇場の主催に、娘が参加する。親の見学は禁止だったので参加or退場の選択を迫られ、演技に全く自信の無い私は退場する(中学時代は演劇部の部長だったこともありましたけどさcoldsweats01)。廊下でしばらく様子を伺っていると、笑い声が絶えない感じだったので安心して近くの公園に散歩に出る。始まる前はいつものごとく胃を痛くしていた娘。最初は涙した場面もあったようだけど、2時間終了後に会場に行くと笑顔で「楽しかった~!」と。演劇の力って、やっぱり凄いねと思う。ピアニストを集めて、笑いが絶えないワークショップって作れないだろうか。やってみたいな、想像つかないけどgawk

■考えてみれば、男性芸術家の生涯って興味ないの、昔から。彼らの悩みの矛先は基本的に創作(時に恋愛)に集中してて、まず「結婚&出産と創作の狭間」に悩む女性とはスタンスが最初から違うから。■好きなアーティストでふと浮かぶのは、上記二人に加えて、オノ・ヨーコ、ターシャ・チューダー、ジョージア・オキーフ、マリア・ピリス、ピナ・バウシュ、志村ふくみさん。アーティストじゃないけど佐藤初女さんや辰巳芳子さん・・。色々大変なことはあったのでしょうが、そのゆるぎない感じに憧れます。揺らいでばっかりの私としては。

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2009年4月18日 (土)

散歩日和

Image3891_2 ■朝ベランダに出ると、小鳥隊長の念願だったスズメの交尾を目撃・・・ coldsweats01 「コービ、コービ!」とうるさいので、「結婚式」と言いましょうと軽く性教育も始まりつつ、また代々木公園にサイクリングに行く。さすがにお日柄もよく、歩行禁止のはずのサイクリング道路にも人が溢れていて、ヒヤヒヤイライラしながら娘の後を追って自転車をこぐ。二週続くと少しスピード感も出て、風と一体感を感ることが出来て、娘はとても楽しかった様子。こちらは腰くだけbearing

■人混みを覚悟して、年々大きなイベントになるEARTH DAY TOKYOへ。マイ箸とマイカップは持参したものの、マイ皿を忘れるbearing食器貸し出しが凄い行列だったので、小田原オレンジ・プロジェクトの絞りたてオレンジジュースや、福島の園芸屋さんのたまご色のスコーンをいただき(これが滅茶苦茶おいしい!)、千葉にある自然塾の無農薬玄米を2キロ1000円で購入(安い!)して早めに退散。Image3871_2

■地方ブースも増えたり、自分が年を取ったのか世代交代も感じて、ここまで大きなお祭りになると「結局アースデイのテーマって何だっけ?」という感じもありながら・・・それでもやっぱり食からのメッセージは、難しいこと抜きに強いと思う。悔しいけど、音楽や言葉よりも五臓六腑にダイレクト(お腹空いてたしcoldsweats01)。「おいしい!」(あきらかに素材の味が違う)、という体験は子供もすぐわかる。そして「どうして」おいしいのか。そこのところを、もう少し大きくなったら自然にわかってくれると嬉しいな、と思うのでした。

■お米を持って、久しぶりに裏原宿やクレヨンハウスなど。小鳥隊長は貯金をはたいて、鈴木まもる氏の「鳥の巣の本」を購入。巣作りから見える鳥の人生模様は、そのまま人間にも置き換えられて鳥がぐっと身近な存在になる、とても面白い本です。

鳥の巣の本 (絵本図鑑シリーズ) Book 鳥の巣の本 (絵本図鑑シリーズ)

著者:鈴木 まもる
販売元:岩崎書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

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2009年4月16日 (木)

今日の(予期せぬ)ひとこと ③

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■代々木公園に行く途中で。

娘「今日、見れたらいいなあ・・・」

母「なにを?」

娘「スズメの・・・・                                                                                                                                                                     

                                                       

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母「は、春だからね (しかもそんなに大きな声で言わなくてもっていうか意味わかってんのかな coldsweats01

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2009年4月13日 (月)

野鳥とか、ファーマーズマーケットとか。

Image3631■小鳥隊長が自転車に乗りたいというので日曜日は代々木公園に。今まさに格闘中の「春の小川」(高野辰之作詞・岡野貞一作曲)の小川は、渋谷から原宿辺りを流れていたらしいので、たぶん写真にあるような風景だったのかな・・。 携帯写メなので今ひとつですが、小川の上に散った桜の花びらがとても綺麗でした。

Image3801Image3741_2 ■神宮の杜と代々木公園の境目は、野鳥のサンクチュアリになっています。公園の森にも、ふと視線を上げると、日本野鳥の会の巣箱がかかっていたり(スズメに占領されてましたけどcoldsweats01)。でも実はスズメもなかなかの美声の持ち主で、いろんな鳴き声を出せるんですね。可愛いものだなと最近は思います。■桜はほとんど散ってましたが、公園では名残惜しそうな宴会もあちこちに。代々木公園ボランティアの手による花壇の菜の花とチューリーップが満開でした。

Image3771 ■けやき並木公園通りに行くと、東京朝市Earth Day Market(アースデイマーケット)が開催中。これは来週開催のアースデイTokyo2009とはまた別運営のイベントのようでした。以下はフライヤーから。「東京にこれまでなかった本格的なファーマーズマーケット。とびきり新鮮な野菜を持って首都圏近郊の農家さんたちが一同に会する舞台です~後略」。丹精込めて作られた新鮮な無農薬野菜やお米、コーヒーやパン、着心地の良さそうな草木染の衣料等が並んでいましたよ(その場で食べられるものも沢山!)。

■販売している’農家さん’&ボランティアさんたちも、ナチュラルでお洒落な雰囲気の若い方が多かったです。しかもボランティア参加すると、渋谷の街でも使える地域通貨「アースデイマネー」が貰えるんです!

■日本の農業にも、確かに新しい風が吹き始めています。今は月一ですが、いつか毎週開催されるようになって、オーガニックなファーマーズマーケットが代々木公園の名物になったら素敵です!

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2009年4月11日 (土)

お花見とか

Image043■あ、これ去年の写真・・。でもなんだかお気に入りだから再登場。新宿区の?下水のマンホールの蓋って、すごく古いんだけど、桜のデザインがとても趣があって好きです。何気でマンホール蓋フェチなのでした。

■今日は暑いくらいに晴れて、最後のお花見チャンスなんでしょうが、それどこじゃない日々が続いてます(泣)。ああ、もうピアノなんて弾きたくない!才能ないぞweep越えなくちゃいけない壁がドーンとあって、その前で花粉症の薬飲んだら頭痛に吐き気・・(滅多に薬飲まないのでcrying)。今度生まれ変わったら、絶対に、練習しなくていいことやりたい!心と体に悪いでしょうよ、この状況!■前にN.Y.の精神病院レポートを読んだら、ピアニストが多かったって書いてあったけど、さもありなんですよ。前から思ってたけど、ピアノって必用な練習時間多すぎないか?と。今まで出会った楽器で、これほど練習時間が必要な楽器って見たことないんだけど。(いや単に、練習嫌いなんですけどねcoldsweats01)。同情されないのもわかってますけど言わせてcrying

■でもやっぱり、100年の音楽を感じられる瞬間は、満開の桜の下にいるのと同じくらい本当に美しい時間です。そして今回はどうしても、この音楽を届けたい方たちがいるのです。その方たちの顔が浮かぶのです。だから諦めるわけにはいかんのです!

■秋にはなんだか面白そうなライブのお話も頂いてます。とりあえず5月に11曲の録音を乗り越えたら、心身リフレッシュしてライブモードに切り替えていきたいと思います。小鳥隊長のお誘いもあるので、やっぱり明日は春を感じに森の中を歩いてこようっと。

メキシコトレンサさん、インドアナンダ工房さん。素敵なDMを同じ日に頂きました。お時間ある方は是非、お日柄もよろしいのでお出かけください!

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2009年4月 6日 (月)

新しい季節

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■今日は小学校の入学式。娘も2年生です。この1年間早かった~(><)。親の仕事を優先できた保育園の方が楽でした・・・。こうやってどんどん、子供には子供の世界(時間)が出来あがっていくのですねconfident少し寂しいけど、ひな鳥の旅立ちまでは、なるべく一緒に過ごす時間を楽しみたいです。■子育ては、ずっと先になって結果が出る。だから木を1本づつ植えながら森を作るように、目先の結果にとらわれないで、長い時間でモノゴトを考えないといけない、と。それが最近やっと少し、私にもわかってきた気がします(8年かかって coldsweats01)。これは子育てに限らず、音楽でも、なんでも一緒ですね。ゆっくり遠くを見ながら進みたいと思います。Image3571_2

■私の仕事部屋から、防衛省の鉄塔が見えます。あの下には迎撃ミサイル・・・。この一週間、昼夜を問わず上空も騒がしくて、明らかに今までとは違う空気を肌で感じました。正直、とっても不安でした。でも足もとには可愛い花が咲き、桜の下では人々が春を楽しんでいる。この風景が毎年当たり前のように続いていきますように・・・。とにかく、いろいろ考えさせられた週末でした。

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2009年4月 1日 (水)

2冊の間にある お母さんの時間

Image3411_3ここ連日、夜10時頃になると市ヶ谷の防衛省上空にヘリコプターが飛び始め、騒がしくなります。ニュースによれば’迎撃ミサイル’が配備されたとのことですが、国はこっそりやるんですね、こういう大事なことほど・・。テレビをつけると戦艦やミサイルの物騒な映像が流れています。でも、今ひとつピンと来ない・・・・。それが今の私です

■私の手元に二冊の古い雑誌があります。上は昭和6年発行の婦人倶楽部の付録。そして下が、戦後焼け野原の銀座から産声を上げた昭和23年発行の暮らしの手帖創刊号。以前、浦安のギャラリー・どんぐりころころさんに前田一郎さんの硝子を観にいった際に、たまたま近所で蔵を整理している旧家があって「好きな本持っていって!」と。その時は記事が面白そうだと、発行年も見ずにこの二冊を手にしましたが、実はそこには哀しい時間の流れがあったことに後で気づいて、愕然としました。

■それは、太平洋戦争。昭和6年(1931年)といえば戦争が開始される10年前。今と同じように世界恐慌の影響で日本は不景気だったのです。それでも婦人倶楽部付録の中では「黒豆コーヒー」や「手作りキャラメル」「トマトソース」の作り方などが紹介されていて、そこには今と変わらない(インスタントがある今よりも豊かな)食卓の光景が浮かびます。でも、国の外では満州事変が起き、戦争への扉は開いていたんですね。。そして本格的な戦争を迎えると雑誌の中身はこんな風に。たった10年で!同じ国の雑誌とは思えません。■たとえば自分のこの10年間(あっという間)を振り返ると、’市民が知らぬ間’の国の流れの早さに恐ろしくなります。黒豆コーヒーを作っていたお母さんたちが、10年後に食べるものすら無くなる戦争に突入するなんて想像していたでしょうか?Image3401_2

■そして、戦後に発行された暮らしの手帖。目次には「可愛い小もの入れ」「ブラジア(ブラジャー)パッドの作り方」「自分で作れるアクセサリイ」など、また平和な暮らしが戻りつつある庶民の生活が見えてきます。でも、そういう記事の間にも'戦争’の文字がまだ消えていません。随筆の中には「戦争が済んだ。軍服をぬぐんだ、一日も早く」「戦争の時は、私の家にも、私共の仕事場にもさかんに火が降った」など辛く生々しい記憶があります。

■怖いのは、戦争の始まりは「実感としてわかりにくい」ということ。戦時中でも、本当のことは何も知らされていなかった、と書かれています。キャラメルもコーヒーも、いつの間にか代用食になっている。そして大切な子供たちを、戦争の世の中に送りだしてしまうことのないように。今、ひしひしと母親の責任を感じます。

■私の祖母は戦後、農村のお母さんたちにもっと本を読む機会をと、「母親文庫」という活動をしていました。東京の出版社にかけあって募金や作家の講演会を企画したり、戦後を奔走したようです。当時、どこかの週刊誌が「戦後の母は強くなったものだ」とどこか意地悪な視線で、駅で作家を出迎える祖母達の姿を写したグラビア記事を掲載していました。祖母は生前その記事を私に見せながら「仕事は私の誇りだった」と言いました。彼女はもう、私の名前すら忘れていたけれど。本を読むこと、本当のことを知る大切さ。戦争を経験した当時のお母さんたちは、身にしみて感じていたのでしょうね。

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