「シュベスター Schwester」という名のピアノ
昨日から小屋入りして、いよいよ稽古も大詰め。
切羽詰まっているはずが、なぜか笑いが絶えないのは、
「こども」というキーワードがあるからかも。
ここに集まったおとな達は
「こどもが喜んでくれるなら」と思うだけで、
なんでもやれる人たちなのだ、たぶん。
いや、自分たちが永遠にこどもなのかもしれませんね。
ところで、今回の「こどもと演劇」で弾かせて頂く中野RAFTのピアノは、
昭和30年代に作られた、SCHWESTER(シュベスター)という名のアップライト。
長くピアノを弾いてきましたが「初めまして」の出会いです。
このピアノ、実は日本製。
しかも、今もすべて手作りされているそうです!
舞台で使い込まれているので、
鍵盤とハンマーの感触はそれなりに古くなっていますが、
音には、なんとも独特の味わいがあります。
最近のピアノのようにキラキラしていなくて、
なんといったらいいか・・・木の温もりのような音がする。
ペダルは軽くて、とても踏みやすい。
今回はじめて、ソフトペダル(いちばん左)を使ってみたいと思いました。
それくらい、音の変化が繊細。
私の好きなベーゼンドルファーをお手本に作られているそうで、
なるほど、と。
先月発売したCD「Mother Songs」も
ベーゼンドルファーの小さなグランドで録音していますし、
来月のすぎなみママコレのコンサートでは、
ベーゼンのインペリアルを弾かせて頂きます。
あまり弾ける機会はありませんが、
私はスタインウェイよりも、ベーゼン派。
どちらか選べるラッキーな時は、迷わずベーゼンを選びます。
華やかではないのですが、
まるくて、人間ぽい音がする。
それだけ個性も強いので弾くのは難しいですが、
作っている人ともつながった気持ちになる、そんなピアノです。
先月の「生きものの音」では、
白州の中学校のピアノ(YAMAHA)を弾かせて頂きましたが、
調律師さんをはじめ、いろいろな方の想いが込もった素敵な音がしました。
思い返せば、今まで弾いたピアノたち、
それぞれに物語があって、みんな覚えています。
ピアニストの仕事は、その楽器が持っているいちばん素敵な音を、
奏でてあげることじゃないかと思ってます。
楽器を自分好みの音に調整するのは、私は好きではありません。
この古いピアノの音を聴きたい方も、是非遊びにいらしてください。
こどもの演劇、じゃなくて、こどもと演劇。
おとなひとりでも、もちろん。
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