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2009年12月10日 (木)

南シベリア・トゥバのピアノ

11_20015 写真はトゥバのトージュ地区を流れるエニセイ川
(C)Todoriki Masahiko

先日のプラネタリウムのコンサートでは、倍音シャワーのようなフーメイ(喉歌)&ピアノで、ぐっすり&癒されたという方が多かったですね。

シベリアでは、飼っている動物を落ち着かせる時にも
フーメイ(※隣国のモンゴルではホーミー)が使われる・・・
という話を聞いたことがあります。
等々力さんによれば「都市伝説」らしいですがcoldsweats01
でも、赤ちゃんスヤスヤ、大人は疲れが取れた、というのも、
あながち無関係とは思えない・・。
フーメイのように一度に複数の、
しかも複雑な周波数が混ざり合う’心地よい音’を聴く(浴びる)ことは、
脳にとって悪いことでは無いだろうというのは、体感的にわかります。
出している本人は、どんな気持ちなんでしょうか。

さて、ピアノとトゥバ音楽の出会い。
日本では珍しい(っていうか「生きものの音」だけかも?)ですが、
実はトゥバでは、ピアノは珍しい楽器ではないそうです。
さすがに遊牧民のテントにピアノは置けなさそうですがgawk
国民の7割が定住者のトゥバでは、
ソビエト政権時代の国策としてピアノが普及していて、
どんな奥地の村に出かけても、
たいがいロシア製のピアノが見つかるそうです。
でも、そのピアノで奏でられるのはロシア音楽が基本だとか。

携帯電話も普及しているという遊牧民。
ネットを使って世界中の音楽を聴くことも可能なはずなので、
遊牧民の子供たちから、この先どんな音楽が生まれてくるかは未知数ですね。
ピアノを使ったトゥバ民謡も、生まれるかもしれません。

ただ、あの独特なフーメイ(喉歌)や、風のようなイギルの音は、
楽譜には起こすのは難しい・・・・。
ロシア人作曲家・アクショーノフによって
フーメイが採譜されたものは等々力さんに見せて頂きましたが、
演奏目的というよりも、音の記録のような楽譜でした。
いや、これで演奏しようと思ったのかもしれませんがgawk

やはり平均律&五線譜の世界に当てはまらない音楽は、
リレーのバトンのように、人から人に伝えていくしかないのです。
これはトゥバに限らず、世界中の民族音楽に言えることですね。

20世紀までは確かに、「楽譜がある=進歩した音楽」という図式がありました。
けれども、例えば絶対音感の’絶対’とは、あくまでも西洋の絶対にすぎません。
「軸が変われば、絶対は絶対ではない」ということ。
それは実際に私(ピアニスト)が、
さまざまな民族楽器と共演する度に感じていることです。
自分の絶対を捨てるところから、見えてくる(聴こえてくる)世界があるのだと。
前世紀からの価値観が転換期を迎えている今、音楽も例外ではないと感じています。

話が脱線してしまいましたが、

トゥバの大地に響くのは、ロシア製のピアノ。
それは複雑な歴史背景を持つ国の、生きた証人でもあるのでした。
そのピアノ音はきっと、どこか切なく懐かしい音がするのでしょう。
いつか弾ける機会が・・・あるかなあ・・・。

トゥバについてもっと知りたい方はこちら・等々力政彦サイトへ→
・・・・・・・・・・・・・・・・・

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