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2010年1月28日 (木)

ユキとニナ

Photo「 期待せずに観にいったら思いのほか面白かった」という評をいくつか目にしたので、
期待して行ってみました「
ユキとニナ」。

主人公のふたりは9歳。
うちにも似たような8歳児がいるので、
ついつい母親目線で観てしまうのですが、
パリ(たぶん)の子も、東京の子も、同じ会話してるんだなあ・・と。
そんなところは微笑ましく思ってみていました。

が、この映画が一筋縄でいかないのは、
単なる「女の子物語」じゃないというところでしょうか。
日本とフランスの文化の違い。
それは芯は強いがおとなしい思考派ユキ(日仏ハーフ)と
何でもはっきり主張する行動派ニナ(フランス)の
二人の性格の違いにもよく出ています。
どんな場面でもメソメソ泣かない女の子、というのは共通していますが。

一部ではお洒落な「森ガール」映画として紹介されていますが、
それを期待していくと、ちょっと違うかな?と思うかも。
森は象徴として扱われていて、
森そのものの映像としては物足りなさも感じました。
ただ’音’は面白いの。
フランスから日本の森へ。
音風景から変わっていくところは不思議な感覚にとらわれます。

ここ神楽坂は、実はフランス人の町でもあるのですが、
日仏の国際結婚カップルも多いです。
パパが日本語を話さない場合は(ポリシーだと思いますが)、
ママが流暢なフランス語をあやつり、性格もとてもタフな印象があります。

この映画に出てくる日本人ママも、
本当はのんびりした自然の中で育った女性だとわかるのですが、
パリにいるときは、どこかピリピリした雰囲気の女性です。
(まあ離婚間近だというのもありますが)。
パリジェンヌに見えたユキちゃんも、
日本で赤いランドセルを背負うと、娘の同級生みたいに見えるのも不思議です。
でも子供は逞しい。すんなり日本文化に馴染んでいきます。
夫に、というよりもフランス人であろうとすることに疲れたママも、
子供の頃に遊んだ風景に出会い、
本当の自分を取り戻して、これから再生していくのでしょう。

エンディングロールのUA「てぃんさぐの花」は、なんで?っていう感じで、
大人の事情で採用されたのかもしれませんが、ちょっと唐突に思いました。
個性が強い沖縄の歌を使う意味はあったのかなあ・・。
あとは日本の描き方がわりとステロタイプで、
日仏合作というよりは、
限りなく「フランス人からみた日本」になっていたのが気になりました。
そういう意味では、ファンタジー映画なんですけど。

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