ユキとニナ
「 期待せずに観にいったら思いのほか面白かった」という評をいくつか目にしたので、
期待して行ってみました「ユキとニナ」。
主人公のふたりは9歳。
うちにも似たような8歳児がいるので、
ついつい母親目線で観てしまうのですが、
パリ(たぶん)の子も、東京の子も、同じ会話してるんだなあ・・と。
そんなところは微笑ましく思ってみていました。
が、この映画が一筋縄でいかないのは、
単なる「女の子物語」じゃないというところでしょうか。
日本とフランスの文化の違い。
それは芯は強いがおとなしい思考派ユキ(日仏ハーフ)と
何でもはっきり主張する行動派ニナ(フランス)の
二人の性格の違いにもよく出ています。
どんな場面でもメソメソ泣かない女の子、というのは共通していますが。
一部ではお洒落な「森ガール」映画として紹介されていますが、
それを期待していくと、ちょっと違うかな?と思うかも。
森は象徴として扱われていて、
森そのものの映像としては物足りなさも感じました。
ただ’音’は面白いの。
フランスから日本の森へ。
音風景から変わっていくところは不思議な感覚にとらわれます。
ここ神楽坂は、実はフランス人の町でもあるのですが、
日仏の国際結婚カップルも多いです。
パパが日本語を話さない場合は(ポリシーだと思いますが)、
ママが流暢なフランス語をあやつり、性格もとてもタフな印象があります。
この映画に出てくる日本人ママも、
本当はのんびりした自然の中で育った女性だとわかるのですが、
パリにいるときは、どこかピリピリした雰囲気の女性です。
(まあ離婚間近だというのもありますが)。
パリジェンヌに見えたユキちゃんも、
日本で赤いランドセルを背負うと、娘の同級生みたいに見えるのも不思議です。
でも子供は逞しい。すんなり日本文化に馴染んでいきます。
夫に、というよりもフランス人であろうとすることに疲れたママも、
子供の頃に遊んだ風景に出会い、
本当の自分を取り戻して、これから再生していくのでしょう。
エンディングロールのUA「てぃんさぐの花」は、なんで?っていう感じで、
大人の事情で採用されたのかもしれませんが、ちょっと唐突に思いました。
個性が強い沖縄の歌を使う意味はあったのかなあ・・。
あとは日本の描き方がわりとステロタイプで、
日仏合作というよりは、
限りなく「フランス人からみた日本」になっていたのが気になりました。
そういう意味では、ファンタジー映画なんですけど。
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