海の記憶
2歳から5歳まで函館に暮らした。
家の近くには岩場だらけの海岸があって、ときどき家族と出かけた。
私はそこで拾った貝を家に持ち帰り、耳をあてて海の音を聞くのが好きだった。
まだ潮の香りが残る貝殻から聞える海の音は、
私の「音の原風景」のひとつ。
写真、左上はこのところずっと行方不明だったオウムガイ。
(なんと、ピアノのすぐ横に置いてあった)。
太古の海の音がする、と思う。
右下の真珠のような光沢はサザナミサザエ。
メキシコ育ちの美しい貝殻からは、
本当に、さざ波が聞えてくる(と思う)。
左下はセブ島のマキミゾグルマ。
(手に入れたのは上野の博物館だけど)
右上だけは、ちょっと違う仲間で、カタツムリなのだ。
箱根の仙石で、娘が見つけた(殻だけ)。
どんな音がするのかと耳を当ててみたら、
やっぱり波の音がする。
そして、私たちの耳の中にも、
小指の先ほどの「貝(蝸牛)」がいる。
本当に音を聞いているのは、外に出ている耳じゃなくて、
耳の奥にある小さな貝なのだ。
この貝が初めてきいたのも、おそらく海の音。
すべての生きものに宿る、海の記憶。
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