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2012年10月21日 (日)

耳を開こう。

Hammar1

サウンド・エデュケーション(中でもサウンド・ウォーク)でわかるのは、「みんな違う耳をしている」ということ。

同じ風景の中を歩いていても、聞こえてくる音、聴いている音が違う。

同じ世界に生きているのに、本当にそれぞれ違った音風景の中に生きている。

そんなことは薄々わかっていたはずなのに、実際に耳の記憶を分かち合う時、その違いにあらためて驚いたり、新しい発見をしたりする。

誰が正しいとか、えらいとかではなくて、
単純に「違うんだなあ」と思う。
音を表現する方法、その言葉や身振りや、「伝えよう」とする気持ちも全部含めて。

だけど「一緒にきく」という時間を通して、
「あ、今の鳥の声かわいい!」とか、「いまの車の音、残念・・・」とか。
不思議と同じ音に、みんなの耳が反応する瞬間がある。
間違いなくある。
年齢や性別やその人が生きてきた背景も越えて、
音は、確かにみんなの耳の穴から心を震わせ、
瞬間をわかちあった心は共鳴する。
ひとつになる。

だから言葉はいらない。
目と目を合わせて、にこりと微笑む、または顔をしかめるだけで、
人と人は、同じ音で、耳を通じてつながることができる。
「独りじゃないんだな」って、ちょっと感動する。

言葉を尽くしてもつくしても、つくしてもわかりあえない時、
少しだけ沈黙して、周囲の音に一緒に耳を傾けてみよう。
ふと聞こえた小鳥のさえずりや、草むらの陰で鳴く虫の声が、
お互いの耳と耳、心をつないでくれるかもしれない。
その音が素敵な音楽だったりしたら、感動もひとしおだ。

耳を開こう。
目の前にいる人と、世界とつながるために。

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