弘前忘備録
今週前半は弘前にいた。
四方を山に囲まれた津軽平野には、いつでも東京とは違う時間が流れていて、「ここは神に守られた場所なのだなあ」と感じてしまう。
今回の滞在では、地元のアートNPO harappa主催のコンサートに出演する研究室メンバーのリハを見せてもらったり、
三年生の音楽科教育法の授業に出て、
現在研究中の「音のワークショップ」について、
学生さんたちに、いろいろお話させて頂いたり、
付属中学の選択授業での「サウンド・エデュケーション(紙を使ったエクササイズ」の授業実習を見学したり、
先生と学生さんたちと呑み+芸術談義を交わしたり
(思い出した順、時系列めちゃくちゃ)
この弘前の、今田匡彦研究室から是非、新しい風を吹かせてほしい。
いや、吹くに違いないと思う。
こんなにも個性豊かで真摯な学生たち、そして彼らの教育に熱い心を持った先生。
昨年の今頃、はじめてこの研究室を訪れた時に感じた印象は今も変わらず、
むしろ「教育っていいな」と思うことが、ここへ来るたびに増えていく。
そういえば今回ミラクルだったのは、
関東大震災後に東京から信州の田舎に移り住んで、
高校の英語教師として一生を過ごした祖父の回顧録を読んでいたら、
今は国立音大の名誉教授になられた小山章三先生の随筆を見つけたことだ。
それによれば、先生は祖父の「器用貧乏になるな」という言葉がきっかけで、
土木農学科から音楽教育をめざしたのだという。
そしてその小山先生が、また偶然にも今田先生の恩師だったのだ。
これには驚いた。
おそらく50年以上の時を経て、
めぐりめぐってきた祖父の言葉。
しかも関東大震災から東日本大震災までの時間が一気につながった。
いやあ、言葉って、教育って、音楽ってすごい。
今年は、祖父が亡くなってちょうど30年が経つ。
生きていれば112歳だ。
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