10年をふりかえって
2011年には東日本大震災・原発事故がありました。平成は1年後に終わり、2020には東京オリンピックを迎えます。街の風景も日々変わっている。けれども録音場所の「森」は今も変わらずにあります。私が震災後に一時休止した演奏を再開したのも、この森のピアノからでした。森に音を放ったとき「変わらないこと」の力を信じたいと思いました。1年後には自身のプロジェクト「即興カフェ」に等々力政彦さんをお招きして、この森での再共演も実現しています。録音の石橋さん、HISAEさんも足を運んで嬉しい再会のひと時となりました。
『生きものの音』は、ささやかな時代の記録です。だからこそ時間を経るごとに、洋の東西、その境界にあるオト・モノ両面から、新たな光を放っていくのではないかと思っています。
Hisaeさんとの待ち合わせまでに時間があったので、21_21Designsightで開催中(会期延長で明日まで)の『Khadi 明日をつむぐ』展に足を運びました。「自由の象徴」でもある手織り・手紬の白い布。娘が赤ちゃんだった頃は比較的日本でも安価で入手が出来たので何枚も揃えて、いまも大切に使っていまが、最近はめっきりと見かけなくなって気になっていました。同時に経済成長に伴うインドの「激変」もあちこちから耳に入ってくるようになっていました。
その白い布の価値を知るインドの人たちが、どのような思いで次世代に仕事を受け継いでいるのか。ガンディから始まり、マルタン・シンと仲間たちが国内産業として、そして教育システムとして発展させた歴史を知ることができたことも、何だか偶然とは思えませんでした。経糸は太陽、緯糸は月。美化しすぎず。地に足をつけて。
ササマユウコ
◎CD『生きものの音』に関するお問合せは
生きものの音プロジェクト ikimononooto@gmail.com
CD再版の予定はなく、間もなく完売だそうです。
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