2019年3月28日 (木)

ササマユウコ活動情報

 1 ササマユウコの活動情報は以下のSNSやホームページからご覧いただけます。
Yuko Sasama
1964年東京出身。4歳よりクラシックピアノを10歳より楽典を学ぶ。都立国立高校、上智大学文学部教育学科(教育哲学、視聴覚教育)卒。大学卒業後は日本初の一芸入社(音楽)でセゾン文化メディア総合職に。映画配給と音楽活動の並走から紆余曲折、2001年神楽坂BEN-TEN Records設立。ひとりインディーズレーベルの先駆け。全6作品は全国販売を経て2007年よりN.Y.The Orchard社より世界各国で聞かれている。Spotifyで累計80万ダウンロード以上。
2011年の東日本大震災・原発事故が「音楽とは何か」を考え直す転機に。同年よりカナダの作曲家M.シェーファーのサウンドスケープ論を耳の哲学として研究(弘前大学大学院今田匡彦研究室2011~2013)。同時期に町田市生涯学習部まちだ市民大学の企画運営担当。この経験を活かして2014年芸術教育デザイン室CONNECT/コネクト代表。芸術と学術を「つなぐ・ひらく・考える」視点から21世紀のリベラルアーツとしての芸術活動を実践考察中。

◎ホームページ
・ササマユウコ個人 www.yukosasama.jimdo.com
・BEN-TEN Records www.bentenrecords.jimdo.com
・芸術教育デザイン室CONNECT/コネクト(代表ササマユウコ) www.coconnect.jimdo.com

◎Facebook
・ササマユウコ個人 @yukosasama.7
・即興カフェ    @improcafe
・芸術教育デザイン室CONNECT/コネクト @coCONNECTnet
・聾/聴の境界をきく @Deaf.Coda.Hearing
・生きものの音 @ikimonono.oto
◎Twitter @lifeasmusic
◎Instagram @yuko_sasama

◎リベラルアーツとしての音楽教育でこんなことが出来ます。
サウンド・エデュケーション(専門知識・経験を必要としない音のワークショップ・音の散歩)、即興
演奏ワークショップ、サウンドスケープ論(耳の哲学)レクチャー、執筆等のご依頼など。※ワークショップには専門知識や音楽経験は必要ありません。コミュニケーション、環境学習などへの応用も。
 tegami.connect@gmail.com までお願いいたします。

所属学会:日本音楽教育学会、アートミーツケア学会、日本音楽即興学会
最近の執筆:音楽教育実践ジャーナル(『内と外を柔らかにつなぐ耳~音のワークショップ、あるいは気づきのあるプロセス』2015.3月号 査読付き論考)、音楽教育学、東京迂回路研究(「耳の哲学/詩の考察」)など。
最近のプロデュース企画:即興カフェ(サウンドスケープの哲学から新しいオンガクを実験する)、空耳図書館(哲学カフェ、非言語読書会)、協働プロジェクト「聾/聴の境界をきく」
助成歴:アートミーツケア学会青空委員会、日本音楽即興学会

写真左上から)即興カフェ(2018.8.17下北沢Halfmoon Hall 雫境、ササマユウコ、鈴木モモ)|空耳図書館(ベビーフェスタNPO法人らいぶらいぶ)|即興カフェ(音と言葉のある風景2018.1.20 Haden Books ササマユウコ、國崎晋、石川高、鈴木モモ)|(下左)カプカプ祭(横浜市ひかりが丘団地 福祉作業所)|座談会@下北沢B&B「生きることは即興である~それはまるでヘタクソな音楽のように」(若尾裕、新井英夫、ササマユウコ)森で音探し(音の散歩)
Sasama  
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2019年3月11日 (月)

2019.03.11『生きものの音』ダイジェスト版ができました

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2019.3.11
ダイジェスト版ができました(無料公開)

※グーグルドライブの警告が出た場合は無視して「このまま再生」にしてください。

東日本大震災・福島原発事故から8年が経ちます。CD『生きものの音』が出版されたのが2008年。CDがこの世に生まれてから2年少しで、あの3月11日がやってきました。
 これは音楽家が2日間に渡って森の中に集い、ゆったりと時間に寄り添いながら音を紡いだ即興演奏のCDです。発売当時は「民族音楽」でジャンル分けされることが多かったですが、本当は洋の東西を越えた「境界の音楽」だと思っています。さらに内(室内の演奏)と外(森や周辺の音)も呼応し合う。それは2度と再現することができない、文字通り一期一会の音風景の記録です。
 今回10周年を記念して、録音担当の石橋守さんがダイジェスト版を編集して下さいました。このCDは時間と共に音風景が変わっていくので、実はどこを切り取るかで印象が大きく変わります。当日の現場の空気や時間の流れを知る耳の記憶、そのエッセンスがぎゅっと詰まった素晴らしい編集です。あらためて聞いてみると、瞬時に録音当日の時間や空間や心境に引き戻されるような不思議な感覚を味わいました。世界はどんなに変わっても、この音にはまったく嘘が無いからだと思います。
 そして10年経った今、この「作品」には思いがけず広い世界に羽ばたく準備が進められています。ここからまた新たな音風景と共鳴しながら、私たちが思いもしなかったサウンドスケープを生み出してくれたらいいなと思っています(サ)。
◎ダイジェスト版も是非お聞きください(グーグル・ドライブを開けると警告が出ますが無視して大丈夫です)。
貴重なCDも在庫僅かですが入手可能です。
CD『生きものの音』真砂秀朗・ササマユウコ・等々力政彦 録音:石橋守 ジャケット:石井寿枝 DALIA001

出版元:生きもの音プロジェクト
録音・編集:石橋守
ジャケット・撮影:石井寿枝

◎生きものの音プロジェクト

お問合せ:ikimononooto@gmail.com

Ikimonono Oto
Hideaki Masago
Yuko Sasama
Masahiko Todoriki

Recorded by Mamoru Ishibashi
Sound produce BEN-TEN Records(yuko sasama)
Visual photo by Hisae Ishii
Published ikimonono oto porject
©ikimononooto project 2019

※CDの在庫も僅かですが入手可能です。
お問合せ ikimononooto @gmail.com

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2019年2月 1日 (金)

2011年以前の作品につきまして

2011年の東日本大震災・原発事故が大きな転機となり、それまでの演奏活動を一時休止しました。「音楽とは何か、何が音楽か」ということを、2011年秋から弘前大学大学院今田匡彦研究室と自治体生涯学習部の仕事を並行しながら、主にM.シェーファーのサウンドスケープ論を「耳の哲学」として実践的に考えてきました。2014年に相模原市立市民・大学交流センター内に芸術教育デザイン室CONNECT/コネクトを立ち上げ、即興カフェ協働プロジェクト「聾/聴の境界をきく」、空耳図書館,路上観察学会分科会等を開催しながら、学会や論考の発表も行ってきました。芸術と学術、芸術家と研究者、人と人との「境界」に生まれる可能性を信じて今も活動・発信しています。
 音楽を21世紀型のリベラルアーツとして捉え直すことで、音楽教育はもちろん、音楽家の生き方、仕事の在り方も大きく変わってくると思います。サウンドスケープ論はデュオニソス的に傾きすぎた20世紀後半の世界に対して、あえてアポロン的な音楽観を投げかけ音楽の内側から世界を変えていこうと呼びかけた、もしかしたら50年先には音楽の世界でも当たり前になっているかもしれない音楽家・シェーファーの先見の明でした。しかしその考え方(サウンドスケープ論)を紹介した『世界の調律』(平凡社)が絶版になったことは非常に残念ですし、だからこそ次世代に先人たちの仕事や哲学を繋ぎたい思っています。

 前置きが長くなりましたが、2011年以降は本当に毎日が激動で必死でした。それまでの自分の創作活動をゆっくり振り返る時間がまったくありませんでした。それは2000年のレーベル立ち上げから2011年までに出会ったアーティスト、そして応援し支えて下さった方たちの存在や御厚意に背を向けるような時間だったかもしれません。8年経った今やっと、これまでの糧を何に注いでいるのか、少しづつご理解頂けるようになってきたかなと感じています。実際に作品の著作権料は微々たるものですが現在の活動を支えています。

 2006年にNY本社のThe Orchardが東京支社を作った時に、国内インディーズ数十社に声がかかりました。そして東京からシンガポール支社へと移転になる際に、私のレーベルと大手パンクレーベル1社が契約継続となりました。そこから10年以上過ぎた今も、文字通り世界各国に配信されていることは本当に有難いと思っています(しつこいようですが、収入は微々たるものですけど)。星の数ほど生まれる作品の中で淘汰されずに残ったことが励みになります。現在はAMAZON・MP3、I Tune、Spotify等でも全作品ダウンロードが可能になっているようです。CD本体もまだAMAZON等で中古を含め入手可能です。最初のCD『青い花』を制作した1999年当時には考えつきもしなかった展開です(インターネットも無い時代だったので)。

 一連の4作品は「Peace and Quiet」というシリーズになっています。実はこの言葉はジョン・ケージ『サイレンス』そして前述のシェーファー『世界の調律』の両方に出てくる印象的な言葉でした。今聞くと、音楽そのものがとてもシンプルで短い(笑)。それは1999年から2000年頃に台頭したデジタル録音技術で効率化が進む現場、一方でどんどん複雑化し巨大化していく(身体から離れていく)音楽の在り方に違和感を持っていたからです。今思えば身の程知らず、若気の至りなのですが(苦笑)、一枚の布を丁寧に織るような「アーティスト」でありたいと思っていた頃の自分なりの小さな意思表示でした。
 作品はすべてアナログ録音(音響工房アナログ式)、演奏は真剣勝負の「一発録り」です。演奏時のピンと張りつめた空気を思い出します。何も嘘が無い。そして今からでは考えられませんが西洋楽器(ピアノ)と邦楽器とのコラボレーションには、まだ不寛容な時代でもありました。その「境界」に音楽をつくりたいと思いました。そして自分自身が幼い頃から「楽器の王様」だと思い込んでいたピアノ、平均律からの脱却も意識しました。今思えば「民主的であること」とは何か、多様性の世界とは何かを音楽(音)から学んでいた時代でした。
 気づけばYouTubeにもほぼ全作品が上がっています(どなたかの手で)。音のクオリティは悪くないので聞いて頂けると幸いです。そして、ぜひ今後は映画・映像関係者に使って頂きたいと思います。著作権フリーではなくJASRACに使用申請手続きを取って頂きますが、ぜひ事前にメールでご相談頂けましたら幸いです。
 レーベルは違いますがサウンドプロデュースと即興演奏を担当した「生きものの音」につきましても、今後はより多くの方に聴いて頂ける機会がありそうです。平成の終わり、そして21世紀の最初の20年間のふり返りもしっかりしていけたらと思っています。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 2019年2月1日 ササマユウコ

◎ササマユウコ個人サイト www.yukosasama.jimdo.com
◎BEN-TEN Records www.bentenrecords.jimdo.com

(写真左上から)Photo①Peace&QuietⅠ『青い花 aoi hana』 
 ササマユウコ(音楽・ピアノ)、坂田梁山(尺八)PPT-001 (C)2000
②Peace&QuietⅡ『空ノ耳』 ササマユウコ BTR-001 (C)2001
③Peace&QuietⅢ『月の栞』ササマユウコ・坂田梁山・石川高 BTR-002(C)2003
④『Peace&Quiet』ササマユウコ BTR-003(C)2005
⑤『Mother Songs』ササマユウコ BTR-004(C)2009 
  ※病院コンサートの人気童謡を旋律アレンジなしで演奏しています。

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2019年1月 4日 (金)

2019年もどうぞよろしくお願いいたします

あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 2011年3月からの日々は本当に人生の大きな転換期だったと思います。町田市生涯学習部と弘前大学今田研究室を並走しながら、2014年に芸術教育デザイン室CONNECT/コネクト設立。その間に『生きものの音』プロジェクトは10年、そして初CD『青い花』からも20年という時間が経ちました。即興カフェ、空耳図書館、聾者の音楽、路上観察、カプカプ、、「サウンドスケープ」を耳の哲学に素敵な出会いや時間が次々と生まれていきました。2019年も引き続き、この時間は続きます。高齢者と受験生、日々の課題もきっと大きな音楽となって活動と響き合っていくことでしょう。
変ること、変わらないこと、変わらねばならないこと、変えたくないこと・・時代の変わり目を、しなやかに乗り切っていきたいと思います。生きることは即興である!

皆さま、よき1年をお過ごしください。

音楽家・ササマユウコ
www.yukosasama.jimdo.com
www.coconnect.jimdo.com

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2018年12月21日 (金)

CD「生きものの音」10周年記念 ダイジェスト版完成

Ikimonocd

CD『生きものの音』発売10周年記念ダイジェスト版(15分) 
音源はこちら→

10年前、調布の森にジャンルを越えたアーティスト(真砂秀朗、ササマユウコ、等々力政彦)とエンジニアが集いました。CD『生きものの音』は2日間に渡ってこの森で心を研ぎ澄ませ、即興的に音を紡いだサウンドスケープの記録です。森の音風景に耳をすます|ひらく、時間の流れや呼吸に寄り添う、音や楽器の多様性を受け入れる。洋の東西をつなぐと、そこには唯一無二の「境界のオト」が生まれました。ラオスの手漉き紙と手仕事で現地制作された限定盤ジャケットにはオトと響き合うモノの確かな存在感がありました(現在は印刷版ジャケットのみですが、こちらも美しい)。
この10年間で音楽出版はデータ配信が主流となり、手元の音楽が世界中で受け入れられるダイナミズムが実現しました。だからこそ、オトとモノ、音楽と美術のコラボレーションCDはとても豊かだと感じます。ゆっくりと時間をかけて、人から人へ作品が愛されて渡っていくことの確かさ。実はこの作品はデータ配信をしていませんでしたが、お陰様でCDは完売間近だということです。ここからは「オトを残す」ことも視野に入れ、CDとはまた違うかたちで聴いて頂く機会が増えていくかもしれません。しかし原点はこのオトとモノが作り上げたひとつの世界観です。自分も今回久しぶりに聴いてみて(自分の至らなさには目をつぶり)、当時のエコロジカルな社会の雰囲気を色々と思いだしました。そこから今日までの10年間、本当に想像もしなかった出来事や天災が続き、メンバー個々にも人生の変化があって、今はあの日からの遠い未来にいると感じています。しかし、つながっている。アーティストが自由であること、誰もが自分の音や歌を、存在を自由に表現でき、受け入れられること。そんな当たり前の素敵さを、この1枚の音風景から少しでも感じ取って頂けたら幸いです。
 今回の ダイジェスト版を聴いて気になった方は、CDの入手も僅かに可能ということですので、完売前にぜひ以下までお問合せください。即興性が高いので、1曲の中でも音の風景が時間とともに移り変わっていきます。全曲通して聴いて(感じて)頂ければ嬉しいです。そしてここからの「遠い未来」のどこかで、また気まぐれに第2作が生まれたらいいなとも思っています。
メンバー、スタッフを勝手に代表して・・・「生きものの音」10年目の言葉とさせて頂きました。(サ)

『生きものの音 ikimonono oto』
演奏:真砂秀朗(Hideaki Masago)
・ササマユウコ(Yuko Sasama)
・等々力政彦(Masahiko Todoriki)(2007年録音 仙川・森のテラス)
録音:石橋守(Mamoru Ishibashi) 
ジャケット制作:石井寿枝(Hisae Ishii)
サウンド・プロデュース:BEN-TEN Records(Yuko Sasama)
版元:Ikimonono oto project

□お問合せ 「生きものの音」プロジェクト ikimononooto@gmail.com

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2018年4月 9日 (月)

CD『生きものの音』が発売10周年を迎えます。

Ikimonocd

ササマユウコがサウンドプロデュース(BEN-TEN Records名義)と即興演奏を担当したCD『生きものの音』が発売10周年を迎えます。それを記念してFacebook記念ページが立ち上がり、収録曲や制作アーカイブ等も初めて公開しています。

 2007年の録音は調布・森のテラスにて2日間にわたりました。当日の森のサウンドスケープ(鳥の鳴き声、どんぐりの落ちる音など)も、ジャンルを越えた演奏者(真砂秀朗、等々力政彦、ササマユウコ)の即興演奏とともに収められています(録音:石橋守)。
 ジャケットはラオスの手仕事をかたちにした貴重なモノです(石井寿枝 イラスト制作)。10年前には可能だった丁寧な手仕事が詰まっています。
 
 このアルバムは民族音楽に分類されることもありますが、音楽の洋の東西、録音場のウチとソトの「境界」に生まれたサウンドスケープの記録だと思っています。発売当時はピーター・バラカンさんの30分番組でも特集が組まれ、真砂さんとともに演奏者としてササマユウコがラジオ出演しています。現在も若い世代に聴き継がれているのは嬉しい限りです。

 これから制作当時の思い出や音源を徐々にアップしていきます(ikimonono-otoで検索してみてください)。現在、収録曲で古いトゥバ民謡とピアノのセッション『翼があれば Wings learn to fly」がアップされています。演奏者であると同時にサウンドプロデュース担当としての言葉を、この機会に少しづつ残していきたいと思います。

◎CDの在庫は僅かとなっているようです。全10曲。興味のある方はこちらに お問合せください。

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2018年4月 2日 (月)

ホームページをリニューアルしました

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最近はほぼFacebookで情報発信しているため、なかなか手がつけられなかった個人サイトですが、以下のふたつをリニューアルしました。
 旧サイトでご紹介している2000年代の作品は、非アカデミックなアプローチで洋の東西の境界に生まれる音楽を探っていました。現在の自分の音楽からは遠い質感ではありますが、録音作品はありがたいことに2007年から現在もN.Y.のThe Orchard社より世界各国で細々と聴かれています。(南はペルーから、北は北欧まで)。
 20年近く前の初作品『青い花』(ピアノ・音楽ササマユウコ、尺八・坂田梁山)から始まって、すべての作品が現在も日本を始め、世界のどこかで聴かれているということは、作った本人にも正直驚きです。なぜならこれらの作品は、当時の音楽がデジタル機器のめざましい発達によって、どんどん複雑化し、作り手の身体感覚から離れていってしまうことへのアンチテーゼでもあったからです。「シンプルに」と「無修正の生演奏、アナログ録音」を貫いたことの未来からの答えだとも思っています。そしてやはり、アーティストは「インディペンデント」であるべきだという考えは今も変わっていません。

 2011年の東日本大震災・原発事故以降は、自分の無知に対する「怒り」から始まりました。「音楽とは何か?何が音楽か?」という世界との関わり直しから、カナダの作曲家M.シェーファーにもっとも近い弘前大学大学院今田匡彦研究室に籍を置きながらサウンドスケープ論を『耳の哲学』と捉え直しました。生きるための知恵としての世界の内と外を「音と言葉」から見つめ直してきました。
 そして2014年には、この哲学の実践・考察拠点として「芸術教育デザイン室CONNECT/コネクト」を立ち上げました。ここでは現在、音楽に限らず「芸術と学術」の様々な可能性を「つなぐ・ひらく・考える」をテーマにして探っています。この活動は「コネクト」の名前の通り、多くの素晴らしい芸術家、研究者たちとの出会いを生み、社会にひらく活動も生み出しています。
 同時に、一時休止していた演奏活動も、ストリングラフィの鈴木モモと共に「即興カフェ」(写真)へとつながりました。また2016年には聾者の音楽映画『LISTEN リッスン』との衝撃的な出会いがあり、現在、協働実験プロジェクト「聾/聴の境界をきく」として「音のある世界|音のない世界」を行き来しながら仲間たちと可能性を探っています。

 東日本大震災以降の展開は、自分の生活も「想定外」の連続でした。しかし7年経ったいま振り返ってみると、これはもう「運命」という言葉以外は見当らないのです。一時は二度と音楽の世界には戻らない、戻れないだろうと自分を絶望の淵に追い込んでいましたが、気が付けばまたピアノの前に座っている。「耳の哲学」が自分を救ってくれたことは確かです。そしてここまでの7年間の経験を他者と分かち合っていくことが、これからのミッションだろうと思っています。肩書はもちろん「音楽家」です。オンガクとは、私にとって「生きること」そのものだからです。
だから「音を出さない音楽家」であることも多々ありますが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 
2018年4月 ササマユウコ

1)旧サイト 主に2011年3月11日以前のCD作品について  
    http://bentenrecords.jimdo.com/

2)新サイト 2011年4月以降の活動のポータルサイトです。
    http://yukosasama.jimdo.com/

上記サイト、ササマユウコの活動に関するお問合せはこちらまでお願いします。

(C)2018 Yuko Sasama

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2017年10月 5日 (木)

『月の栞』

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中秋の名月、そして明日の「即興カフェ」は満月。10月は「月」の季節ですしお誕生月ということもあってか、懐かしいCD『月の栞』(ササマユウコ、坂田梁山、石川高)のジャケット原画(『月を探す旅』木版画)と、松本豆庵の寒氷いただきました。どちらも安曇野在住の木版画家・小平彩見さんの作品です。ありがとうございます!
小平さんは、16年前の出産退院した確か翌日に銀座山野楽器の試聴盤で新作を偶然きいたとメールを下さった方で、ゆっくり育児に専念するつもりの重い腰を早々にあげるきっかけとなった、怒涛の嵐のような存在(笑)。今は二児の母として育児と創作活動との両立を頑張っていて、作家としてのキャリアも着実に重ねていらっしゃる素敵な方です。
思えば神楽坂でインディーズレーベルを立ち上げたのも、当時サンプルを聴かれた新宿タワレコの店員さんから「全国流通できるようにレーベルを」と直接お電話を頂いたから。ネット環境もまだ発展途上で、あんなに大変な仕事になるとは夢にも知らずに気軽に引き受けたのが、もう15年以上も前の話。デジタル打ち込みが台頭した時代に、「5分以内の非アカデミックな生演奏のアナログ一発録音」という動機(狂気)にかられ、その録音物に翻弄された年月も振り返れば懐かしい思い出だし、10年間に作った5枚のアルバムは今も世界各国で静かに聴かれていることは、このサイクルが早い業界でもっと噛み締めてもいいのかなと思う。共演者はじめ関わって下さった方たちには感謝してもしきれないし、無かったことには出来ないのだよ。たとえ自分の中では昇華されたモノ(CD)との音楽実験だったとしても。録音するとはそういうこと(風景をだいなしにする、と言った人もいる)。
この2003年発売のCDは、今もテレビやラジオで時折流れている。正直、現在の自身のオンガクからは少し遠い存在です。笙の石川さんは今年の坂本龍一氏のアルバムに即興4曲が収録されています。少しフライングですが、来年1月20日には石川さん、サンレコの國崎晋さんを特別ゲストに、鈴木モモさん、ササマユウコで「音と言葉」をテーマにした即興カフェも開催します。(南青山Haden books)。新しい音楽実験にも、どうぞお付き合いください。

◎この可愛らしいお菓子は松本の「すぐり」さんでお買い求めいただけるそうです。
https://www.facebook.com/warehouse.suguri/

そして明日は、CD『生きものの音』をご一緒しているトゥバ音楽演奏家の等々力政彦さん、ストリングラフィ奏者・鈴木モモさんと共に「即興カフェ 番外編」を開催します(@調布・森のテラス)。助っ人としてトゥバ民謡の若手ホープ鎌田英嗣さん、音楽家・履物「ひかりのすあし」作家の浦畠晶子さんの展示販売、台湾茶もご用意してお待ちしています。ちなみに等々力さんは現在、京都大学で微生物を「共生」の視点から研究されていて、今回は新しい「音楽のかたち」と「学びの場」を実験する場としても開催されます。どうぞお気軽に足をお運びください。(ご予約は「即興カフェ」まで improcafe.yoyaku@gmail.com)

※詳細は Facebook @improcafe をご覧ください。

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ササマユウコ|YukoSasama

2011年東日本大震災後、「オンガクとは何か」を考え演奏活動を一時休止し、カナダの作曲家M.シェーファーのサウンドスケープ論を「内と外の関係性」から研究する(弘前大学大学院今田匡彦研究室2011~2013)。2014年、哲学の実践拠点として芸術教育デザイン室CONNECT/コネクト設立(相模原市立市民・大学交流センター)。哲学カフェ、即興演奏、地域連携事業、執筆活動、ワークショップなどを展開中。詳細は個人サイトをご覧ください。

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2017年4月18日 (火)

ササマユウコのホームページ

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森の中の鹿を相手に説法の練習をしていたわけではありませんが、2011年3月から「音のない音楽」の世界を旅していました。

音楽とは何か、何が音楽か。正解がないことはわかっていましたが、とにかく自分なりの考え方=言葉を手に入れたいと、日々思考を続けていました(それは今も続いています)。そして最近は「音」に立ち返る場面も巡ってきて、言葉にはない音の力を再確認しています。密かにピアノも弾いています。

50代に入った「今」だからお伝えしたいことを。音楽と言葉の両面から、これからも丁寧に積み重ねていきたいと思っています。サウンドスケープとは何かを知るための「耳の哲学」に関心をお持ちの皆さまには、どうぞワークショップも体験して頂きたいと思っています(お気軽にご相談ください)。

まずはお時間のある時に、ぜひサイト をご覧頂けましたら幸いです。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 

http://yukosasama.jimdo.com/  音のない音楽/CONNECT主宰 ササマユウコ

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2017年1月 1日 (日)

2017 謹賀新年

2017_32017(平成29年)謹賀新年

音を見失っていた2011年の秋に、
弘前で見つけた鳥笛。
あれからの日々を忘れない。
「希望」のサウンドスケープを奏でよう。
ちいさな音楽、耳の哲学。
2017年1月1日 ササマユウコ

 

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