2010年1月28日 (木)

ユキとニナ

Photo「 期待せずに観にいったら思いのほか面白かった」という評をいくつか目にしたので、
期待してcoldsweats01行ってみました「
ユキとニナ」。

主人公のふたりは9歳。
うちにも似たような8歳児がいるので、
ついつい母親目線で観てしまうのですが、
パリ(たぶん)の子も、東京の子も、同じ会話してるんだなあ・・と。
そんなところは微笑ましく思ってみていました。

が、この映画が一筋縄でいかないのは、
単なる「女の子物語」じゃないというところでしょうか。
日本とフランスの文化の違い。
それは芯は強いがおとなしい思考派ユキ(日仏ハーフ)と
何でもはっきり主張する行動派ニナ(フランス)の
二人の性格の違いにもよく出ています。
どんな場面でもメソメソ泣かない女の子、というのは共通していますが。

一部ではお洒落な「森ガール」映画として紹介されていますが、
それを期待していくと、ちょっと違うかな?と思うかも。
森は象徴として扱われていて、
森そのものの映像としては物足りなさも感じました。
ただ’音’は面白いの。
フランスから日本の森へ。
音風景から変わっていくところは不思議な感覚にとらわれます。

ここ神楽坂は、実はフランス人の町でもあるのですが、
日仏の国際結婚カップルも多いです。
パパが日本語を話さない場合は(ポリシーだと思いますが)、
ママが流暢なフランス語をあやつり、性格もとてもタフな印象があります。

この映画に出てくる日本人ママも、
本当はのんびりした自然の中で育った女性だとわかるのですが、
パリにいるときは、どこかピリピリした雰囲気の女性です。
(まあ離婚間近だというのもありますが)。
パリジェンヌに見えたユキちゃんも、
日本で赤いランドセルを背負うと、娘の同級生みたいに見えるのも不思議です。
でも子供は逞しい。すんなり日本文化に馴染んでいきます。
夫に、というよりもフランス人であろうとすることに疲れたママも、
子供の頃に遊んだ風景に出会い、
本当の自分を取り戻して、これから再生していくのでしょう。

エンディングロールのUA「てぃんさぐの花」は、なんで?っていう感じで、
大人の事情で採用されたのかもしれませんが、ちょっと唐突に思いました。
個性が強い沖縄の歌を使う意味はあったのかなあ・・。
あとは日本の描き方がわりとステロタイプで、
日仏合作というよりは、
限りなく「フランス人からみた日本」になっていたのが気になりました。
そういう意味では、ファンタジー映画なんですけど。

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2010年1月23日 (土)

オーシャンズ

090921_oceans_main_2 最近は小鳥隊長から、生きもの隊長になりつつある娘と観にいきました。素晴らしいドキュメンタリー作品に仕上がっています。海の生きものたち(海上の鳥たち)の、生き生きとした姿が本当に美しい!念願のクジラの歌声も聴けました。
「オーシャンズ」公式サイト→

フィクションとドキュメンタリーを比較しても仕方ないですけど、
何を隠そう私は70年代の’ジョーズ世代’coldsweats01

娘と同じ年頃に渋谷の映画館で観た
「不条理にサメに食われ、恐怖で逃げ惑う人々・・・」というのが、
頭の中に強烈に残っていて(お風呂に入るのも怖くなったほど)、
この「オーシャンズ」で、サメと人間が一緒に泳ぐ感動的な映像を見ながら、
子供時代に大人から植えつけられる’自然観’の大切さを痛感しました。

まあ「ジョーズ」も、食物連鎖の話としては間違ってないですけど(^^;)、
自然は戦うべき恐ろしい存在で、
力でねじ伏せてこそ人間の勝利・・・みたいな感覚が
(ジョーズでは、最後にサメが爆破されてたgawk)、
20世紀の子供たち(私たちです)には知らず知らずの間に染込んでいました。

でもそれは全く間違っていた。
自然は闘うべき相手ではなく、折り合いをつけていく存在なのですね。
地球という大きな生態系でみれば、みんなつながっている。
この映画を観てわかるのは
「地球上でいちばん愚かな生きものは人間だ」ということ。
先日の「奇跡のりんご」もそうですが、
生態系を乱さず、謙虚に、そして共存していくことが、
この地球の生きもののルールです。
海の中では人間が生まれる遥か昔から、その秩序が保たれていた。
そこへ無知な人間が登場し、
片っ端からルールを無視した結果が、悲しいかな今の地球環境です。


つい数日前にも、こんなニュースがありました。
「捕鯨の町」として知られる和歌山県太地町で、
鯨肉を食べる住民の毛髪から日本人平均の10倍を超える水銀が検出され、
一部で世界保健機関(WHO)の安全基準を超えていることが分かった」と。


だから鯨を食べるな・・という話ではありませんよね・・・。
鯨も人間も、同じサイクルの中にいるよ、ということだと思います。

そうそう、「オーシャンズ」に登場する生きものたちの「食べっぷり」が凄い。
食べることは生きること。シンプルだけど、命に直結する大事なこと。

21世紀の今、人間の自然に対してのやりたい放題を
一刻でも早く終わらせないと、この星は滅びてしまうよ。
そのことを真摯に、時にユーモラスに、シリアスに、そして感動的に、
子供たちに伝えるために’本気で’作られた映画だと思いました。
それにしてもフランス人は海を撮るのが上手いです!


3月5日まで、こども料金500円キャンペーン中!
ぜひお出かけください!もちろん大人も!

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*これは観ようと思ってる作品

■マザー・テレサ映画祭
■フローズン・リバー

■ユキとニナ

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2009年12月29日 (火)

2009回顧録&ラジオデイズ

Image8501_32009年はインド、トゥバ、アフリカ音楽、
そして日本童謡・唱歌と共にある
日々だったので、
久しぶりにラジオで色んな音楽聴いて
気分をリフレッシュする。

この時期は年間チャートもやっていて新鮮。
大橋トリオさんのWinterlandが耳に残った。
http://www.youtube.com/watch?v=6ykSIZ1-38k

やっぱりラジオが好き。
これはもう、小学生の頃からずっと。
でもここは電波状況が悪いのか、
ノイズが凄いので普段はあまり聞かない。
(実は自分が出た昨年のバラカンさんの番組も聴いてない(ポッドキャスト)。

BGMでよく聴くCDは「高原の朝」と「セイシェルの海」。
フィールド録音の自然音ばかりなり。
音楽のCDは、心身共に集中できる時にしか聴かない。

映画もあまり観ない年だった。
そんな中で「スラムドッグ$ミリオネラ」が秀逸だった。
今年最後に見たのは「いのちの山河~日本の青空Ⅱ~」。
びっくりするくらい号泣した。
良心に基づいたよい映画だったけど、
別の悲しい気持ちのはけ口となってしまった。


本は、このところ昔読んだ本を読み返している。
宮澤賢治の一連の作品。
特に「銀河鉄道の夜」「風の又三郎」「やまなし」「セロ弾きのゴーシュ」。
レイチェル・カーソンの「沈黙の春」と「センス・オブ・ワンダー」
(この2冊はいつか詳しく)。
特に「センス~」は、20年くらい前に読んだ時は本当の意味で実感がなかった。
子供を育てる中での実体験をもった今、
ひとりでも多くの人に読んでもらいたいと心から思う。


あと「聖★おにいさん」の第四巻も、やっと読めた。
相変わらずの聖なる笑いの世界感に、師走も忘れて和む。

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2009年2月23日 (月)

おくりびと Departures

■(2009/2/23記第81回米アカデミー賞 外国語映画賞受賞!海外での評価も高いですね。日本の心が、世界に受け入れられていくことはとても嬉しいです。何を隠そう、学校を卒業して最初に飛び込んだのが映画業界でした。世間はバブル絶頂期、派手なハリウッド映画が受け、日本映画界は衰退して全く元気の無い時代でした。皮肉にも100年に1度の不況という今、今回の日本映画の快挙を当時の誰が想像したでしょう!(もちろん、この不況も)。日本の偉い人、これからはもっと文化や教育にお金だして下さい!日本の未来のために。

Photo ■(2008/11/14記)

■義母の葬儀は無宗教&家族葬。天寿をまっとうし、生粋の江戸っ子だった彼女の人柄もあって、余計なものは一切なく、なんとも清々しい式でした。斎場に集まった小さな孫やひ孫たちは走り回り、まるで砂場遊びのように夢中で棺の中を花で埋め、骨壷の前の遺骨を手づかみし、泣いたり笑ったり怒られたりしながら、それでも小さな心に何かを感じ、思い思いに’ばあちゃん’にお別れをする光景に、人生の本質を見たような気がしました。想像力の逞しい娘は最初、’死’が怖くて棺の前で固まっていたのだけど、「おばあちゃん、’ああ楽しかった’って、にっこり笑ってるから見てごらん」と言うと、安心したように遺体に花を添えお別れをしていました。

■最近読んだ本で印象に残っているのは、インド・ガンジス川にある'公開’火葬場の話。屋外で焼かれる遺体の頭蓋骨は、最期に「パン!」と大きな音を立てて割れるといいます。そしてその音が聞けると、本人は何の未練もなく、この世の命をまっとうしたことになる。まるでクラッカーを鳴らすように、なんとも晴れ晴れしい命の終わり方です。

■死生観(遺体の扱い)は国や文化によってさまざまだけれど、映画「おくりびと」では’納棺師’の視点から、日本の文化=心が描かれています(ユーモアも忘れずに)。リストラからやむを得ず、この特殊な仕事に就いた元チェロ奏者。主人公である彼の心情をもっと掘り下げたり、妻の葛藤を表面的に終わらせなかったり、全体をシリアスにすることも出来ただろうに、どこかインド的にカラっとまとめているところが、かえっていいのかなと思いました。伝統的な納棺の儀には、日本独特の型の美学があり、故人の尊厳を守る心があります。そして丁寧で美しい所作で扱われる故人を見守ることで、残された者の心も静かに癒されていくのでした。■先日の義母の葬儀では、火葬場の方が丁寧に丁寧に遺灰を集め、骨壷に納めていく仕事を見つめている時に、参列者の心が同じ場所で’しん’となり、ひとつになった瞬間がありました。なんとも静謐で神聖な時でした。そこには宗教も国境も越えた、命の尊さだけがありました。

■映画の最後に、近頃亡くなった峰岸徹さんが重要な役どころで出てきます。撮影は昨年の春だったというから、まさか自分の運命はご存知なかっただろうけれど。この役を演じたことが、彼の役者人生に、この作品に深い意味を与えたことは間違いありません。

おくりびと」公式サイト→  ■2008モントリオール世界映画祭グランプリ受賞作品

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■同じくアカデミー賞短編アニメ賞「つみきのいえ」受賞もおめでとうございます!とっても気になる絵と内容。インドの貧民街を舞台にしたダニー・ボイル監督の「スラムドッグ$ミリオネラ」も公開が待ち遠しいです!アカデミー賞も不況の影響で脱ハリウッド?お金をかけただけの映画ではなく、作り手の真摯なココロが伝わる作品に光をあてる。映画が本来の姿を取り戻していくようで嬉しいです。

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2008年12月13日 (土)

未来を写した子どもたち BORN INTO BROTHELS

080827_miraikodomo_main_2■今回も、’生’について考えさせられる秀逸ドキュメンタリーのご紹介です。

■「未来を写した子供たち」はインド・カルカッタ(コルカタ)の売春窟に生まれ育った子ども達と、そこに入り込み彼らに写真を教えることで、子ども達の未来を切り開こうとする女性カメラマン/ザナ・ブリスキの奮闘の記録です。

■想像を絶する劣悪な家庭環境の中で、驚くほどの才能と知性で未来をつかみ取る少年。せっかくのチャンスを親の意志、または自分の意志で諦める少女・・・。そこにはインドの闇社会の断片が映し出されています。が、結局のところ人は、たとえどんなに悲惨な環境に育ったとしても、最後は自分の意志が全てを決めていくのかもしれないと。少し突き放した言い方ですが、カメラを手に生き生きと活動する子ども達の姿から「生きること」の基本を見たような気がします。そして救われた子どもが輝いてみえるだけに、救われなかった子どもの悲劇が浮き彫りになるという厳しい現実も。とにかく、とても一言では言い尽くせない、興奮に近い感情を覚えたドキュメンタリーでした。■本当は子供たちにも見てもらいたい映画ですが、’売春’の問題やインドという国を理解できないうちは難しいかもしれません。第77回アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を受賞していますが、日本での公開までには長い時間がかかりました。ずっしりと重いテーマですが、悲惨な印象ではありません。文部科学賞特別選定作品、とういことですから12歳以上は大丈夫でしょう。

■実はこの数ヶ月、インドについて色々な書物を読んでいました。音楽、風土、宗教・・・。知れば知るほど、わからなくなるのがインドです。この映画の中にも、代々続く売春婦の家庭が、カーストでは上にあり裕福な暮らしをしていたりします。私達が考える赤線地帯とは根本的に感覚の違いがあるのです。そのあたりの背景を、映画でも少し説明してくれたら、また違った印象になった気はします。■だからと言って、最初から自分の境遇を’これでいい’と思っている子供はいない。いずれ逆らえない現実を知り、諦めて受け入れていくだけなのです。ここから抜け出すには教育しかないと、写真の指導者ザナは語ります。もちろんそれは正論だし、私もそう思います。けれども同時に、せっかく入れた学校を家庭の事情で去った少女が、学校以外にも生きる道を探し、どうか’絶望’しないで欲しいと祈るばかりでした。

■余談ですが、先日のムンバイのテロやオリッサの宗教対立の背景に、インド資本主義の発展があるのだとしたら、大学進学だけが子どもたちを救う手段なのだという西洋的な正論も、一歩間違えば両刃の剣になる可能性もあると思いました。「この学校に入れば大学まで行けます。医者にも弁護士にもエンジニアにもなれます」という教育者の言葉に、「ああ、これでこの子は救われた」と心から安堵した自分に、ちょっと待てよ?と問いかける自分もいました。本当の幸福は、動物園や海で見せた子どもたちの笑顔の中にある。きらきら輝く目と、自由な心を失わないことですから。■ただ、どんな家庭事情の子供にも、勉強したいのならば門戸を開く進学校がある。こういうところは、今の日本の’お受験’システムよりも、よほど健全かもしれません・・・。そういえば世界最高齢70歳で出産したインド女性は「周囲には親戚が沢山いるから子育てには問題ない」と語っていました。うーん、インドは本当に’人間力’が強い。

■映画の中で売春婦の母を殺され、失意の中からも未来をつかみとった11歳の少年は今19歳となり、ニューヨーク大学で映画の勉強をしているということです。本当に才能のある少年でしたから、なんとも嬉しい後日談でした。ザナが救い出した一人の少年が将来インドを変えるかもしれない。この映画の本当のテーマはインドに限らず、「子供は未来だ」ということなのです。

■銀座での上映は26日まで。ロビーでは子供たちの作品も展示されています。どうかひとりでも多くの方に観て頂きたい!

未来を写した子どもたち BORN INTO BROTHELS 公式サイト→

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2008年12月11日 (木)

ヤング@ハート

Photo_2■最近、音楽仲間とよく話題になるのが「いつまでやるか」ということ。舞台で醜態をさらける前に辞めるという人も、肉体の限界までという人も・・・それぞれに美学があり、どちらが正しいということはありません。そういう私は、限界に挑戦型かなあ・・coldsweats01。一応、音楽活動のピークを80歳くらいに想定しているので、今はまだ修業の途中と思っています。が、指の関節曲がるのか?とか。ペダルに足が届く?曲は作れる?とか。ちょうど人生の折り返し地点の今日この頃、ピアノを弾きながらイメージする将来像は、なかなかファンキーですcoldsweats01

■この映画「ヤング@ハート」は、アメリカに実在する平均年齢80歳のロックンロール集団のドキュメンタリー。こんな音楽映画は、まず観た記憶がありません。人生最期まで性、いや生を謳歌し、本番を前に力尽きて死んでいくメンバーさえいる。その凄まじい生き様は、まさにロックンロール。いや、パンクでしょうか。■プログラムに難しい新曲を取り入れ、挑戦することを忘れない。普段はクラシックを聴いている人も、ここではロックを受け入れ、楽しんでいる。病気さえ笑い飛ばす。淡々と、でも熱い。決して自己満足では終わらない、舞台に向かう彼らの「プロ根性」に脱帽です。■指導者ボブ・シルマン(53歳)の姿勢も素晴らしい。厳しくも優しい、メンバーとの絶妙な距離感。この活動を始めた28歳当初はおそらく、こんなにも人の死と向き合うことになるとは思わなかったでしょう。それでも続けてこれたのは、何よりも音楽を愛し、メンバーと真摯に向き合い、その後迎える彼らの死に敬意を払っているから。まるで修行僧です。誰にでも真似できることではありません。メンバーは彼の厳しさをボヤきながらも、「負けてたまるか」と諦めずに、厚い信頼を寄せている。年齢や職業ではなく、音楽でつながる人と人。感動です!

■私は昨年の母の日ライブの前日、ママ友のダンサー・野和田恵里花さんを亡くしました。友人の死を受けて舞台に上がる心情がどんなものなのか、少なからずわかっているつもりでしたけど、彼らはハンパじゃありません。本番前の一週間で二人もメンバーを失います。でも、誰も引き下がらない。歌うことが最大の追悼になると知っているからです。旅立った仲間に捧げる歌の力には、聴いている誰もが心を揺さぶられます。

■お互い「80歳までやる」と語っていた彼女に、この映画を見せてあげたかったなぁと思いました。バアさんになった二人が同じ舞台に立っていたら・・・そんなことを考えていたら涙が止まらなくなりました。とにかくハンカチお忘れなく。笑って、泣いて、そして元気になれる。「本気で生きる」ことを真正面から教えてくれる映画です。

ヤング@ハート 公式サイト→

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2008年9月22日 (月)

パコと魔法の絵本

Photo ■娘が振り替え休日の月曜日。「ポニョとパコ、どっちにする?」と聞けば、迷わず「パコ!」。さすが下妻ファンの娘。まあ、中島哲也監督ファンの私。ひとりでも観にいく予定だったので、内心「ラッキー!」と。あ、ジブリも好きですけどね(^^;)。

■ロード・ムービーファンを自認するわけですが、テリー・ギリアム、ティム・バートン、エミール・クストリッツァ、ジャン=ピエールジュネなんかは大好きなのでした。うまく説明できないけれど、世間では’鬼才’とか言われがちだけど、なんというか「映画にしか出来ないこと」を徹底的にやってくれる監督が。時には作品に当たりハズレがあって、しかもその振れ幅が大きくて、新作が発表されるたびにワクワク、ドキドキするような感じ。中島哲也監督は「下妻物語」「嫌われ松子の一生」と、今のところハズレが無いですが、私の中では上記監督の仲間に入っています。だから新作楽しみだった~!

■この「パコと魔法の絵本」。ポスターを見た時は、「ローズ・イン・タイドランド?」と思いましたが、個人的にはあの作品をはるかに越えていると思います(単にローズは苦手だったというのもあり・・)。徹底的に寓話なんだけど、真実。嘘じゃない。とっちらかっているようで、一本筋が通ってる。一貫しているのは、人間のダークサイドを見つめる優しい眼差し。それが偽善じゃなくて、’恥ずかしいまでにストレート’なのです。そこがいい!

■大好きなロバード・サブダの絵本の中に飛び込んだような、本当に魔法にかけられたような極彩色の世界。ずっと浸っていたかったです(疲れそうだけど)。そして勝手に、この映画を「国際カエル年の記念映画」に指定したいと思います。カエル好きの娘もご満悦。っていうか変なオトナがいっぱい出てきて、わーわーやっているのに最初は呆気に取られながら、最後はハンカチ出して涙ぬぐってました(隣の席のお友達も)。間違いなく小1から大人まで(どっちかと言えば大人向けかな~)、笑って泣ける映画です。ただ、しばらくは土屋アンナちゃんに影響された子供が、ヤンキー言葉になっちゃいます(^^;)。

■うちのメダカの水槽にも、黄色い花の咲く水草を入れたいんだけど・・あれは本当にあるのかしら??

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2008年8月30日 (土)

ダージリン急行

Darjeelinglimted_mai ■どういう訳か10代の頃はサマセット・モームの小説が好きで、将来はラッフルズホテルみたいなところで、のんびりカクテルでも飲みながら優雅な生活を送りたいと思ってました(まったく叶わず ^^;)。そしてモンスーン地域のスコールの存在を知って、なんともスカッとした、あとくされの無い雨の降り方がとてもいいなと。日本にもスコールが降ればいいのにと思っていたら、いつの間にか東京はそうなっている。このところ続くスコールを越えたゲリラ雷雨は困りものだけど。そのうちスコールも生活の一部になっていくのかな。朝からベランダの洗濯物を出したり入れたり・・・まだ空を読めるところまで達していない。。

■映画は圧倒的にロードムービー派。’移動’という時間の流れと、どこかざっくりとした作品の空気感が好き。■インドはまだ行ったことがない。でも子供の頃のあだ名が’インド人’だったり、インド綿(カディ)を触ると妙に心が落ち着いたり、インド音楽や舞踊には全く違和感がないので、前世どこかで一度はインド人だったのかもしれない。カレーも大好き。粉をこねて朝からナンを焼いたりしてる。ヨガも自然に生活の一部になってる(考えたら母も30年くらい前にヨガをやっていた)。ピアノの前には等々力さんのインド土産サラスヴァティが鎮座している。彼女こそBEN-TEN Recordsの弁天様(そしてここは弁天町)。■このあたりは近くにインド大使館があったり、地下鉄沿線上にIT産業地帯があったりするせいか、ターバンを巻いた背広姿の人や、きれいなサリーを着たお母さんや子供も普通に見かける。最近はインド料理屋もめっきり増えて、いつでも本場のカレーが食べられるから嬉しい。

■前置きが長くなったけど、この映画「ダージリン急行」は、アメリカ人のダメダメ&ボンボン三兄弟が「インド心の旅」に出る話。列車内は車両を借りきっての撮影らしいけれど、タイルや照明など異国情緒あふれる美術がなんともいい雰囲気。■旅はやっぱり、ゆっくり寝台列車がいい。町から町へ移動するのに何日もかかったり、恋が生まれたり・・移動する時間そのものが非日常から日常になっていく感覚が好き。ゆったりと流れる窓の景色も美しい。

■そういえば、学生時代にウィーンから乗った寝台列車で、フランスに留学中の北朝鮮の女の子と同室になったことがあった。個人と個人で出会えば、同じ世代の人間同士(しかもアジア人同士)すぐに打ち解けることが出来たけど、そんなことも向かい合わせの客室だからこそ。彼女はあれからどんな人生を辿ったのだろう・・・。

■また話が脱線しました。この映画で私がいちばん好きなのは、ある’出来事’をきっかけにダメダメ三兄弟が辿り着いた砂漠の中の農村風景。白いカディを身にまとった農民たちの、質素で素朴な、人の生き死を自然に受け入れる姿と、その魂の清らかさに心打たれます。その場面から一気に、この映画は本物の「心の旅」へと変わっていく。だからと言っておしつけがましい感じは全くなくて、のんびり列車に揺られながら観ているような感覚の、憎めない作品。Photoあ、基本的にはコメディです。

■写真は我が家のカディ。マハトマ・ガンジーが独立運動の象徴として農村に広めた「手紡ぎ・手織り」の布。でも歴史は古く3000年前にはその存在が確認されているようです。すべて手仕事ならではの、ふぞろいな糸の縒りや織り。完全無欠な機械織り布と違って、一枚として同じ布が無いところに作り手の存在を感じて、とても愛着がわきます。手触りもとにかく感動的に優しい。そして何より丈夫!うちはバスタオルや肌がけ、直接肌に触れるものはみんなカディ。娘もお風呂上りに身体に巻きつけてあげると、ほっとした顔してます。

・・・・・・・・・・・・・・(C)2008 Yuko Sasama・・・・・・・

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2008年7月 5日 (土)

西の魔女が死んだ

080208_nishi_majyo_main ■あ、暑い(汗)。クーラーを使わない我が家は連日30度越えてます。このアジアンな湿気と高温はピアノには辛い季節です。明日は本番だわ~。

■朝起きると娘が「お母さんが魔女で、私が黒猫になった夢を見た」と言っているので、じゃあ暑さを逃れて魔女の映画でも観にいくか、と。「西の魔女が死んだ」を観にいきました。山梨の映像の美しさと、サチ・パーカーには個人的に興味があったのだけど、本屋さんで原作を立ち読みして「ああ、私はもう大人になってしまったのだわ・・」と、ちょっとためらいもあったこの作品。結果的に、号泣してました。娘に「その、みっともない泣き顔で外歩くの~??」と、映画館を出るときに心配されたくらいです(^^;)。

■何が泣けたんだろうか?と思うと。なんだろう?と。正直、深緑の森を描いた作品なら「もがりの森」。人物の描き方も深くはないし、思春期の主人公の感受性が痛いほど伝わってくるというわけでもなく。ただ、サチ・パーカー演じるおばあさんの美しい日本語とか、「気まずく別れた」人が次に会った時には帰らぬ人になっていたとか、死んじゃった自分の祖母のこととか。そう、結局思い出していたのは、信州の田舎で過ごした子供の頃の夏の思い出と、その田舎を敬遠していた10代の自分の浅はかさと・・・。

■娘は楽しんでいたけれど、出来ることなら映画じゃなくて、本当の「魔女修業」をさせてあげたい。今年の夏もブルーベリー摘みをしてジャムを作ろう!と思っていると、「結局、おにぎりが出てこなかったね」。お米党の娘が帰りにつぶやいた。確かに魔女のご飯はパン食だったね(^^;)。

■そういえば、西の魔女は絵本作家のターシャ・チューダーがモチーフになっていたのかな。佇まいが、とても似ていました。先日93歳?で亡くなった彼女。「元夫が生活費を入れてくれなかったから、仕方なくこういう生活になったのよ。冬はバラの手入れをしなくていいから楽だわ」と、世界中から羨望されている自らのライフスタイルを、どこか達観している感じが好きでした。「私ってステキでしょ?」な、素敵な人は、素敵じゃないと思っているので・・

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2008年6月 2日 (月)

路上の神様たち

017_3 ■朝刊を見ていたら、神様が亡くなったという記事が目にとまりました。日本橋の、まさにその橋の上で、色とりどりの布人形を作って並べていたおじいさん。それは物すごいオーラのある人形で、私は密かに彼のことを「日本橋の神様」と呼んでいたのです。 ■記事を読むまで知りませんでしたが、その人形は一体100円で売られ、そのほか「ことば」も並べられていたとか。でも私には、その人形を手にとって持ち帰る勇気はありませんでした。それくらい、ものすごい存在感のおじいさん&人形だったから初めて見た時はあまりの衝撃から、ただもう橋の上を行ったり来たり・・・。ホンモノの芸術に出会った時にだけ走る衝撃を、おじいさんの作品からは確かに受けました。■日本橋図書館では今月5日まで、今年亡くなったもう一人の「茅場橋の神様」の作品と共に、その人形が展示されるそうです。オーラのある作品は必ず、作者がこの世から消えても残っていくもの。驚いたのは、赤羽生まれの神様が路上で人形を作り始めたのが東京オリンピックのあった1964年だということ。なんと私の生まれた年ですよ。詳細はこちら→

■路上の神様には、他にも出会ったことがあります。新宿地下道のスタンド付きミラーの前で、毎朝楽しそうにお酒を飲んでいた神様。その風貌と笑顔はまさに「恵比寿様」。あとは20年前、NYダウンタウンのタワレコの前に、コップを持って立っていた神様。彼からは人生の転機ともなるような「言葉」をもらいましたよ。

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■路上の神様で思い出す映画はこの二本。

Photo

ルトガー・ハウワー主演聖なる酔っ払いの伝説

Photo_2 低予算の方が傑作を撮ってる気がするテリー・ギリアム監督の「フィッシャー・キング」。

主演のロビン・ウィリアムスもナイスです!

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