ほうほう堂@緑のアルテリオ
おなじみ身長155cmのダンスデュオ「ほうほう堂」。
最近は劇場を飛び出して、街や駅やエレベーターの中や人の家なんかで踊っていることは、You Tubeでも薄々知ってたけれど、
「近くで踊ります」という知らせを受けて、娘と急遽出かけた。
殺風景な東京郊外新興住宅地の、
ひと昔前だったらとてもコンテンポラリーダンスとは結びつきそうもない場所に、
そのガラス張りの「アルテリオ小劇場」はいつの間にかあって、
こういう場所だからこその非日常に、ちょっと心がワクワクした。
劇場内に入るとすでに美術・浅井裕介氏の、
シュッ、シュっと、小気味よくマスキングテープを引き出してはちぎる音と共に、
彼の手から生まれるジャングルや不思議な生きものたちが客席内にも増殖し続けていた。
おしゃれで可愛くて、どこかユーモラスな「ほうほう堂」。
そのポップな印象に、普段はついつい見逃されがちだけれど、
実は作品(存在)はとてもラジカルで、奔放で、時に攻撃的ですらあって、
彼女たちはメッセージ性にあふれた’闘う芸術家’だと思っている。
増殖する緑の(実際は白なんだけど)ジャングルの中で、
疾走するたくさんの生きものたちに変身して、
舞台と客席のバリアを取り払い、
舞台と舞台裏のバリアも取り払い、
ついでにハーメルンの笛吹きみたいに観客を誘いながら、
いつの間にか劇場からも飛び出して、
とにかく伝えたいことを全部かたちにして、
今なにが大切なのか、自由とは何かを教えてくれる。
清清しさや微笑みと共に、「そうだよねえ」と思わず唸ってしまうような。
だっていま、私たちがいちばん望んでいるのは、
まさに彼女たちみたいに、無邪気な子供や生きものみたいに、
緑の中で走りまわったり、木に登ったり、雨に打たれたりすることなのだから。
その機会を突然奪われてしまったのが、この2011年なのだから。
それにしても、この10年間のテクノロジーの進化は凄い。
照明も音響も映像も、パソコン1台で次々とイマジネーションをかたちにしていく、
その驚くべき軽やかさ。
アナログとデジタルが幸福な出会いを果たした、
まさに次世代型の総合芸術だった。
そして今、アートに何より求められているのが、失われた自然の模倣(ミメーシス)。
川崎市アートセンター 小劇場アルテリオ、今後のラインナップにも注目したい。
振付・出演:ほうほう堂(新鋪美佳+福留麻里)
美術:淺井裕介
映像:須藤崇規















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