2019年1月14日 (月)

哲学のこと 『世界の調律~サウンドスケープとは何か』

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(テツガクのおはなし)
サウンドスケープの哲学から新しいオンガクのかたちを実験する音楽家のプロジェクト「即興カフェ」。って?

 今回は即興セッションを交えて音×言葉の風景を編んでいきます。風変わりな哲学カフェ。「哲学」は明治以後に翻訳された言葉で一見とっつきにくいですが、簡単に言えば「考える」こと。今回のテーマは節分の「鬼は外、福は内」と、シェーファーがサウンドスケープ論をデュオニソス的音楽観(内なる音)ではなく、アポロン的音楽観(外なる音)と定義したことに由来します。しかも上からでも外からでもない「内側からのサウンドスケープ・デザイン」をしなさいと。ん?ウチはソト、ソトはウチ??ちょっと禅問答みたいですね。そしてなぜシェーファーはあえてアポロンの神に振り切ったのか??そもそも音楽にはウチとソトがあるの?そのあたりの謎も即興セッションを交えて楽しく実験しながら考えたいと思います。~「即興カフェ」FBイベントページより

・・・・・ 『世界の調律~サウンドスケープとはないか』が残念ながらいつのまにか絶版になりましたが、アマゾンは入手可。1986年の邦訳出版に至るまでには当時の東京藝大の若い研究者たち(今は第一人者)、そしてセゾン文化に貢献し、交通事故で夭折した作曲家・芦川聡さんの存在がありました。原版から40年経ちますが今でも十分示唆に富む、むしろ古くて新しい21世紀型の学際的視点が詰まっています(本文では境界領域的と記されている)。未読の若い世代にこそ、ぜひ読んで頂きたい一冊。この年には前出の芦川聡遺稿集『波の記譜法 環境音楽とはなにか』も翻訳者たちを中心に出版されています。こちらも入手可です。
86年には赤瀬川原平さんがバブル時代の遺構を「トマソン」と名付けた路上観察学会も発足しました。昭和の最後、全国での再開発、環境破壊が続くバブル全盛期だったからこそ、芸術の中から生まれた視点です。
実は87年に日本初「一芸入社」(音楽)で大学卒業後セゾン文化に就きました。しかし当時ではなく、その後の2011年の東日本大震災・原発事故以降で運命の扉が開いたのか、上記の先人たちと一気につながっていきました。その出会いも次世代につないで行きたいと思っています。

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◎お申込み受付中 お申込み:improcafe.yoyaku@gmail.com

興カフェVol.7『節分前夜|ウチはソト、ソトはウチ』

2019年2月2日(土)15時から17時30分開催
実験者:石川高(笙、古代歌謡)、鈴木モモ(ストリングラフィ)、國崎晋(secret)、ササマユウコ(ピアノ)
場所:四ツ谷サロンガイヤール 
参加費:予約2500・当日3000円 学生2000円 日本音楽即興学会会員2500円
助成:日本音楽即興学会
企画:即興カフェ Produce:Yuko Sasama Curate:Momo Suzuki
主催:芸術教育デザイン室CONNECT/コネクト

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前身の第1回「音楽×やさしい哲学カフェ」(講師:今田匡彦(弘前大学)@日本橋DALIA)さんから今までの会場の様子です。
毎回、テーマやゲストで雰囲気ががらりと変ります。初めての方でもお楽しみいただけます!

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2019年1月 4日 (金)

2019年もどうぞよろしくお願いいたします

あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 2011年3月からの日々は本当に人生の大きな転換期だったと思います。町田市生涯学習部と弘前大学今田研究室を並走しながら、2014年に芸術教育デザイン室CONNECT/コネクト設立。その間に『生きものの音』プロジェクトは10年、そして初CD『青い花』からも20年という時間が経ちました。即興カフェ、空耳図書館、聾者の音楽、路上観察、カプカプ、、「サウンドスケープ」を耳の哲学に素敵な出会いや時間が次々と生まれていきました。2019年も引き続き、この時間は続きます。高齢者と受験生、日々の課題もきっと大きな音楽となって活動と響き合っていくことでしょう。
変ること、変わらないこと、変わらねばならないこと、変えたくないこと・・時代の変わり目を、しなやかに乗り切っていきたいと思います。生きることは即興である!

皆さま、よき1年をお過ごしください。

音楽家・ササマユウコ
www.yukosasama.jimdo.com
www.coconnect.jimdo.com

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2018年12月31日 (月)

次回「即興カフェ」2019年2月2日開催「節分前夜|ウチソト、ソトはウチ」

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【予約アドレスに誤りがありました】
正しくはimprocafe.yoyaku@gmail.com

詳細はFBイベントページにて
www.facebook.com/improcafe

即興カフェVol.7

「ウチはソト、ソトはウチ」
2019年2月2日(土)15時~17時30分
場所:四ツ谷サロンガイヤール

内輪の実験:15時頃から30分程度の即興セッション

外輪の実験:16時~17時30分

2018年1月に開催した「音と言葉のある風景」人気シリーズの第2弾です。節分の由来やオニ・フクを紐解きながら、音と言葉をつなぎさまざまな「ウチとソト」をつなぐ参加型の哲学カフェ。

実験者( )内は使用楽器:石川高 (笙・竿う/古代歌謡)、鈴木モモ(ストリングラフィ)、國崎晋(secret)、ササマユウコ(ピアノ)

助成:日本音楽即興学会

参加料(円):一般 ご予約2500/当日3000  日本音楽即興学会会員2500 大学生以下2000
ご予約:improcafe.yoyaku@gmail.com 【お名前・緊急連絡先】
定員:20名程度

主催:即興カフェ Produce:Yuko Sasama  Curate:Momo Suzuki

お問合せ芸術教育デザイン室CONNECT/コネクト内(ササマユウコ) 

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2018年12月21日 (金)

CD「生きものの音」10周年記念 ダイジェスト版完成

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CD『生きものの音』発売10周年記念ダイジェスト版(15分) 
音源はこちら→

10年前、調布の森にジャンルを越えたアーティスト(真砂秀朗、ササマユウコ、等々力政彦)とエンジニアが集いました。CD『生きものの音』は2日間に渡ってこの森で心を研ぎ澄ませ、即興的に音を紡いだサウンドスケープの記録です。森の音風景に耳をすます|ひらく、時間の流れや呼吸に寄り添う、音や楽器の多様性を受け入れる。洋の東西をつなぐと、そこには唯一無二の「境界のオト」が生まれました。ラオスの手漉き紙と手仕事で現地制作された限定盤ジャケットにはオトと響き合うモノの確かな存在感がありました(現在は印刷版ジャケットのみですが、こちらも美しい)。
この10年間で音楽出版はデータ配信が主流となり、手元の音楽が世界中で受け入れられるダイナミズムが実現しました。だからこそ、オトとモノ、音楽と美術のコラボレーションCDはとても豊かだと感じます。ゆっくりと時間をかけて、人から人へ作品が愛されて渡っていくことの確かさ。実はこの作品はデータ配信をしていませんでしたが、お陰様でCDは完売間近だということです。ここからは「オトを残す」ことも視野に入れ、CDとはまた違うかたちで聴いて頂く機会が増えていくかもしれません。しかし原点はこのオトとモノが作り上げたひとつの世界観です。自分も今回久しぶりに聴いてみて(自分の至らなさには目をつぶり)、当時のエコロジカルな社会の雰囲気を色々と思いだしました。そこから今日までの10年間、本当に想像もしなかった出来事や天災が続き、メンバー個々にも人生の変化があって、今はあの日からの遠い未来にいると感じています。しかし、つながっている。アーティストが自由であること、誰もが自分の音や歌を、存在を自由に表現でき、受け入れられること。そんな当たり前の素敵さを、この1枚の音風景から少しでも感じ取って頂けたら幸いです。
 今回の ダイジェスト版を聴いて気になった方は、CDの入手も僅かに可能ということですので、完売前にぜひ以下までお問合せください。即興性が高いので、1曲の中でも音の風景が時間とともに移り変わっていきます。全曲通して聴いて(感じて)頂ければ嬉しいです。そしてここからの「遠い未来」のどこかで、また気まぐれに第2作が生まれたらいいなとも思っています。
メンバー、スタッフを勝手に代表して・・・「生きものの音」10年目の言葉とさせて頂きました。(サ)

『生きものの音 ikimonono oto』
演奏:真砂秀朗(Hideaki Masago)
・ササマユウコ(Yuko Sasama)
・等々力政彦(Masahiko Todoriki)(2007年録音 仙川・森のテラス)
録音:石橋守(Mamoru Ishibashi) 
ジャケット制作:石井寿枝(Hisae Ishii)
サウンド・プロデュース:BEN-TEN Records(Yuko Sasama)
版元:Ikimonono oto project

□お問合せ 「生きものの音」プロジェクト ikimononooto@gmail.com

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2018年11月 1日 (木)

「即興カフェ」からのお知らせ

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ササマユウコがプロデュースする「サウンドスケープの哲学から新しいオンガクのかたちを実験する 即興カフェ」から

【お知らせ】
①8月17日に実験した「真夏の夜に|言葉のない対話」の12分版動画が11月末までの期間限定で公開されています。www.facebook.com/improcafe

いわゆる「パフォーマンス」や「表現」ではなく、あくまでもオンガクと言葉の間、聾と聴の間にある「境界」で非言語の対話を目指しています。ただしこうしてみると、演奏や物語に見えてくるから不思議です。

対話した人:雫境(聾の舞踏家)、鈴木モモ(ストリングラフィ)、ササマユウコ(ピアノ)
手話通訳:米内山陽子(劇作家)
協力:松波春奈

②次回『即興カフェ Vol.7」は2019年2月2日(土)15時30分から開催予定です。今年1月20日に開催した「音と言葉のある風景」第2弾として「即興前夜|ウチはソト、ソトはウチ」を予定しています。
出演:石川高(笙・古代歌謡)、鈴木モモ(ストリングラフィ)、國崎晋(シンセ)、ササマユウコ(ピアノ)
助成:日本音楽即興学会

※詳細は11月後半にSNS等で告知していきます。どうぞよろしくお願いいたします。

即興カフェ  Produce:Yuko Sasama Curate:Momo Suzuki
お問合せ:tegami.connect@gmail.com (芸術教育デザイン室CONNECT/コネクト内)

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2018年9月 2日 (日)

芸術教育デザイン室CONNECT/コネクト代表として

この秋は2014年に立ち上げて5年目に入った「芸術教育デザイン室CONNECT/コネクト」の活動をふりかえる機会がいくつかあります。以下の文章は専用Facebookに掲載して反響も大きかった記事なのでこちらにも転載します。「場の在り方」を通して自分の頭の中にあるサウンドスケープを提示してきたつもりはありますが、その場で言葉で伝えることはあまりしてこなかったのかなと。だから肩書「音楽家」なんだけど...とも思いつつ、やはり世界は言葉で出来ていることをあらためて実感する今日この頃です。ちなみに今後は非言語コミュニケーションを中心に考察するだろうことはかなり明確に見えてはいるのですが、またこれも難題です。サウンド・エデュケーションについても弘前大今田研究室の最新研究と連動しながら、音楽教育の新しい視点も紹介していけたらと思っています。

2018コネクトには時おり若い研究者(の卵)やアーティストが訪ねてこられます。昨日も「言語人類学」の領域から手話や音楽を研究する東京大学の院生さんが遊びに来て下さいました。私の「頭の中を知りたい」ということで、さてこれがなかなか難しい。有機的につながっていく活動の「音の風景(サウンドスケープ)」を言葉化することに3時間苦戦しました。反対に「インタビュー」して頂くことで思考が整理されていくことも多々ありました。なので、今後インタビューは積極的にお受けしたいと思いました(笑)。
 2014年に立ち上げた「芸術教育デザイン室CONNECT/コネクト」は、もともと2011年の東日本大震災を機に弘前大学大学院今田匡彦研究室でサウンドスケープ(耳の哲学)研究を始めた音楽家・ササマユウコの実践拠点としてスタートしました。オフィスは相模原市立市民・大学交流センター内にある任意団体です。公共施設を拠点に選んだのは同時期に「まちだ市民大学」に仕事で関わり「さがまちコンソーシアム」の存在を知ったという経緯もあります。
 コネクトは「つなぐ・ひらく・考える」をテーマにプロジェクトごとにチームを編成する「中心点」のような存在です。当初は民官の中間支援的な活動も考えましたが、サウンドスケープの内側=市民(アーティスト)主体で小回りが利く有機的な活動の在り方を模索しました。今年度は地域活動を視野に入れたアーティスト・イン・レジデンスに沼下桂子さん(女子美術大学版画研究室講師)にも関わって頂いています。
 大学と団体よりは、研究者と芸術家、顔の見える「個人と個人」のつながりを大切にしています。その小さな活動の密度に、今の時代に置き去りにされがちな「個の力」の可能性を感じます。外からはなかなかわかりづらいですが、この「個」が「音の風景(サウンドスケープ)」のように編まれている活動だとご理解頂けると嬉しいです。これは弘前の研究室がここ数年掲げている「小さな音楽」という概念に共鳴しています。
 これまでの主なプロジェクトには、「路上観察学会分科会」(異分野アーティスト交流)、「空耳図書館のはるやすみ」(子どもゆめ基金助成事業)、「即興カフェ」(新しいオンガクの実験)、「協働プロジェクト 聾/聴の境界をきく」(2017アートミーツケア学会青空委員会助成公募プロジェクト)
等があります(活動開始順)。第一線で活躍するアーティストや研究者たちが分野を越えて「境界」に集まることで柔らかな場が生まれています。この他にも自治体の「音のワークショップ」等を個人的にお受けしていましたが、この1年くらいで個人活動とコネクトが不可分な存在になってきていると感じます。
 あくまでもその在り様(音風景)が「オンガク」であるように。もちろんそこには「ノイズ」も含まれますし、それこそが豊かさや多様性にもつながります。ではそのオンガクとは何か?何がオンガクか?というお話は、長くなりますのでまたどこかで機会を持ちたいと思います。長文失礼いたしました(サ)。

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芸術教育デザイン室CONNECT/コネクトの活動にご興味のある方は以下サイトのメール・フォームよりお問合せください。

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2018年8月27日 (月)

即興とピアノ

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 2011年3月11日以降、個人的に(心理的に)音が出せない時期が数年続いて苦しみました。文字を覚える前からピアノを弾いてきたので、それまでの生き方すべてが問われているような途方に暮れる時間でした。いわゆる「絆」や癒し系コンサートをお断りしていたらすっかりピアノを弾く機会もなくなり、混乱した社会の中で「音」を出す意味もわからなくなっていました。代わりに弘前の今田研究室を拠点に、それまであまり重きを置いてこなかった「言葉」に出会います。同時に学会発表や学会誌掲載の機会がわりと早く頂けたので、とにかく「オンガクをする自分」を見失わないように必死に言葉を追いかけていました。生活のこともありましたし、自分はこのまま言葉の世界に行くんだろうな、、と思いながら研究室でも生涯学習を担当していた自治体の職場でも、目の前にある鍵盤に触れることさえしなかったと思います。それまでの活動を知る人たちの目には「音楽をやめた人」と映っていただろうと思います。

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 ただその’修行’の中でも家族のほかに、ホスピスやカプカプや児童養護施設等、日常の延長線上にあるピアノを弾く機会がありました。また不思議なことに、自分の言葉が深まり始めると、音楽に限らず芸術や学術に商業ベースとは違うかたちで向き合う人たちとの素敵な出会いや再会の機会が増えていきました。2015年の秋頃からは言葉の構築と共に音楽と自分の関係性が「修復」されていった時期だったと思いますし、今もその延長線上にあります。

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Dsc00714体奏家・新井英夫さんとのキクミミ研究会、そして12月にはアーツ千代田3331レジデンス・アーティストJan&Angela(スイス)との「音を奏でる身体~動く音響」のコラボレーターとして2011年以降自分の中で膠着していた何かが解き放たれたと思います。そして一昨年の秋には思いがけず『フリープレイ~人生と芸術におけるインプロヴィゼーション』の著者S.ナハマノヴィッチ氏と訳者の若尾裕先生とご一緒する機会があり、即興ワークショップの現場では数年ぶりに「今、ピアノが弾きたい!」と心から思いましたし、おそらく2011年以降はじめて躊躇なく鍵盤の前に座ることが出来ました。またこの年の5月には映画『LISTEN リッスン』の共同監督牧原依里さん、雫境さんと出会い「音のない世界」聾者の世界にあるオンガクの存在を知り、『世界の調律~サウンドスケープとは何か』の最終章「沈黙」の本質に辿りついた気がしました。

 先日(17日)の「即興カフェ」では「ピアノを弾いてる時がやっぱりいちばん自分に嘘がない」と感じました。心は見事にまっさらな状態というか。特に「即興カフェ」はメンバーの鈴木モモ(ストリングラフィー)をはじめ、毎回のゲスト(等々力政彦さん、石川高さん、國崎晋さん、雫境さん、鎌田英嗣さんなど)のオンガク性に恵まれたこともあり、とにかく余計なことを考えずに即興に臨めるリアルで正直な世界でした。この感覚を大切にしたいと思いますし、参加者の皆さんとも共有しながら様々なサウンドスケープが編まれていくといいなと思っています。また20代から幅広い世代の人たちが音楽性の趣向に関係なく楽しめるオンガクの場となっていることも「即興カフェ」の特徴だと思っています。

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ピアノの演奏は指先の技術だけでなく、長時間弾いても疲れにくい身体の使い方(呼吸法や全身のバランス)、そして何より鍵盤の前で「耳をすます|ひらく」、精神をニュートラルに保つ意識が必要です。オンガクは時間だけでなく関係性の芸術でもある。ピアノと空間と自身の関係性を音の風景として編むような「サウンドスケープ」の意識を忘れずに、「即興カフェ」では共演者の皆さんとは一期一会の即興的な対話、非言語コミュニケーションを生み出していけたらと思います。
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「サウンドスケープの哲学から新しいオンガクのかたちを実験する」即興カフェ。
ジャズやクラシック、従来の音楽セオリーからも自由になった「音」そのものに向き合うような、サウンド・エデュケーション的な即興を実験しています。また音楽教育(ワークショップ、レクチャー)、インスタレーション(オンガクと美術の融合)もめざし、三つのプログラム(①実験②即興ワークショップ/講座③インスタレーション)から多角的に「即興とは何か」「オンガクとは何か」を皆さんと一緒に考え、感じて行ける場をこれからも作っていきたいと思います。
Fb_img_1516493611163 ご興味ある方は「芸術教育デザイン室CONNECT/コネクト」内の「即興カフェ」までお気軽にお問合せください。またワークショップやインスタレーションの出張のご依頼もこちらで承ります。どうぞよろしくお願いいたします。
(音楽家/即興カフェ・プロデューサー/芸術教育デザイン室CONNECT/コネクト代表 ササマユウコ|YukoSasama)
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※写真は主に2016年以降の『即興カフェ』の様子から。場所は音と言葉・HADEN BOOKS(南青山)、HalfMoon Hall(下北沢)、仙川・森のテラス(調布)、JIKE Studio(ミロコマチコ展withカプカプ)など。イラストはインドTARA BOOKSから絵本を出版されたKoki Ogumaさんです。

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杉並公会堂10年前の2008年頃でしょうか。即興ではなくMother Songsのプログラムを弾いています。

CD『MotherSongs』の某スタジオ録音風景(2009)

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2018年8月19日 (日)

「即興カフェVol.6 真夏の夜に|言葉のない対話」ご参加ありがとうございました。

 お盆明けの金曜日に、協働プロジェクト「聾/聴の境界をきく」 とのコラボ企画として開催した第6回「即興カフェ」を実施しました(下北沢HalfMoon Hallにて)。ご参加いただいた皆様ありがとうございました。

 写真ではいわゆる「パフォーマンス作品」に見えますが、前半では雫境さん(聾の舞踏家)、鈴木モモ(ストリングラフィ)、ササマユウコ(ピアノ)が音のある|ない世界を行き来しながら、特定の役割やシチュエーションを決めることなく、登場順だけを決めて50分間の即興的な「対話」を実験しています。音楽的なルールからは自由に、ただし音楽的意思をもった身体によるコミュニケーションです。後半は写真がありませんが、参加された皆さんを交えて、米内山陽子さん(劇作家)の手話通訳を通した言葉による対話の時間をシェアしました。即興カフェFacebookで前半の写真がアルバムになっていますので、よろしければ雰囲気だけでもご覧ください。後半の対話は、また後日レポートしたいと思います。
目と耳で楽しむ新しいオンガクのかたちの実験。今回は聾/聴、音楽/美術、言葉/非言語の境界、また小さなチームながら20代から50代が集まる世代間交流の場ともなり、さまざまな可能性が示唆される場となりました。ご参加いただいた皆さまからも客観的な視点をシェアすることができて、主催者側にとっても有意義な時間となりました。どうもありがとうございました!
即興カフェ・プロデューサー:ササマユウコ
  http://www.facebook.com/improcafe

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(C)即興カフェ2018
第6回「真夏の夜に|言葉のない対話」
実験した人:雫境(舞踏)
鈴木モモ(ストリングラフィ)
ササマユウコ(ピアノ)
前半 50分間の非言語即興セッションより
即興カフェFacebook よりアルバムがご覧いただけます。
●今回の考察を芸術教育デザイン室CONNECT/コネクトのブログ「コネクト通信8月号」に掲載しています。

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2018年8月 5日 (日)

蓮の花のひらく音2018

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◎昨年の記事はササマユウコ個人サイトの「Inside/Outside」をご覧ください。

 今年も不忍池の蓮に会いに行きました。毎年この時期に、軍国主義が色濃くなった1930年代の国内有音派・無音派の植物学者たちが、2度の夏に渡って不忍の弁天堂前の蓮音を巡って朝日新聞紙上で繰り広げた『蓮の音論争』をご紹介しています。詳細は、ぜひ上記リンクよりご覧いただければ幸いです。
今回は「芸術と科学」の関係性について素人なりに少し考えてみたいと思いました。なぜなら、この「蓮の音論争」を一方的に収束させた無音派の言葉が「科学の勝利」だったからです。
 20世紀は「科学の時代」と言われました。この100年間に開発された科学技術は、インターネットの例を挙げるまでもなく人々の暮らし、世界を大きく変えました。この「蓮の音論争」が繰り広げてられていた1930年代の日本も近代化が進み、すでに不忍池周辺工場の排気による環境汚染が問題視されていました。関東大震災を経て地下鉄銀座線も開通しています。
 実は、第二次世界大戦前のアメリカではすでに原子力爆弾の製造法が研究開発されていましたし、それを知る留学経験者(物理学者たち)も国内に存在していました。その原子力爆弾を自国に投下する可能性のある国と戦争状態に突入していく時代をどう過ごしたのか、今では彼等の「内心」を知ることは出来ません。物理学者だけでなく、「戦争反対」を唱えた人たちは、時には隣人の「密告」により捕まり、拷問を受け、殺されてしまう恐ろしい国。大正デモクラシーから10年たらずで社会は暗く変貌し、ジェットコースターのように軍国主義に「落ちていく」体験をした人たちは沢山いたはずでした。もしくは「上がっていく」と高揚感をもって捉えていた人たちも沢山いたことでしょう。
 この論争までは有音派の植物学者も普通に存在していましたし、「蓮の音をきく」文化も当たり前に受け入れられていました。しかし「科学の勝利」と新聞に書かれた途端、実は突っ込みどころ満載の「非科学的な」実験だったにもかかわらず、蓮の音の存在は呆気ないほど簡単に社会から消えてしまうのです。その年の冬は226事件、クーデターを起こした多くの青年将校たちが処刑された象徴的な年でした。
 敵国アメリカの真実を知る/知らないにかかわらず、国中の人たちが「本心」を隠し大きな力に飲み込まれ、「勝利」を信じて「お国のために」すべてを差し出す道だけが残されていきました。「蓮の音」を愛でるような「風流」は軍国主義に嫌われ、戦争を視野に入れたメディアや教育による「刷り込み」が子どもにまで及んでいきます。「蓮の音論争」の隣には、すでに都内で始まっていた空襲訓練を苦に一家心中した有識者家族の記事も大きく掲載されています。
 しかし、戦後は違う理由で「科学的根拠」をもって「蓮の音」をふたたび否定する人物が現れます。誰よりも蓮を愛し、自宅で検証を積み重ねた植物学者の大賀博士です。大賀博士はなぜ「蓮の音はしない」と言い切ったのか。それは「カミカゼ」を信じて戦争に邁進した迷信を疑わない「国民性」への反省と批判があったからです。
 この「蓮の権威」が科学の世界から「無音」を宣言した影響は大きく、現在も大賀博士の論が一般的に支持されています。戦後の高度経済成長を遂げた日本人は、日進月歩の科学技術の恩恵を受けながら、ふたたび蓮の音をきく耳を持とうとはしませんでした。気づけばアカデミズムだけでなく、芸術さえも「科学的であること」が求められるようになります。ロジカルに説明できないモノ・コト・ヒトは排除する。「非科学的」であることと「言葉にできないこと」が同義として語られていくようになりました。逆に言えば「言葉にできること」だけが世界のすべてになっていきます。
 そして2011年3月。衝撃的だった「想定外」の言葉とともに、人類史上最悪の原発事故が起きました。その事故の背景には「ブレーキのない自動車を走らせる」ような杜撰な「最先端科学技術」の実態も見えました。そして事故からわずか7年。社会はいま「勝利(成功)」を信じて真夏の東京オリンピックに突き進もうとしています。その成功を信じる「科学的根拠」は何でしょうか。
 芸術と科学は本来、岡本太郎が提唱した「調和は衝突」の関係性にあるのだと思います。「想定外」とは「イメージの力」によって到達する世界であり、それは芸術にとって必要不可欠です。科学がカバーできない「非言語」の領域を芸術で補うこともできます。科学は決して芸術に勝る存在ではありません。むしろ科学の言葉やデータに囚われてしまうことは芸術を窒息させ、社会を息苦しくすることさえあります。なぜなら「科学的根拠」も決して「正解」ではないと未曾有の大災害が教えてくれたからです。「蓮の音を聞いた」と言う人を「非科学的である」と言葉で封じ込めるような権利は誰にもない。この広い世界には2000種類以上の蓮が存在し、土壌や環境、蓮の生命力の個体差も含め、すべてを検証することは不可能だからです(大賀博士も70種類ほどでした)。科学の「想定外」に思いを馳せることは「非科学的」とは違います。イメージすることを止めてはなりません。
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 明日は8月6日。原爆ドームの前に初めて立った時の「想い」を言葉にすることは本当に難しいです。わずか30センチ定規1本で開発されたという小さな「原子力爆弾」。はたしてそれは「科学の勝利」だったのでしょうか。ただ悲惨な、悲惨以外には言葉が見当らず、黒い塊の前で茫然となる思いでした。

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2018年5月28日 (月)

協働プロジェクト「聾/聴の境界をきく」活動報告を掲載しています。

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協働プロジェクト「聾/聴の境界をきく~言語・非言語対話の可能性」(助成:2017アートミーツケア学会青空委員会)。芸術教育デザイン室CONNECT/コネクトのページで活動の考察を掲載しています。ぜひご覧ください。

プロジェクト・メンバー:
雫境|聾 movement 身体
ササマユウコ|聴 soundscape 音
米内山陽子|CODA signlanguage 言葉おう

◎芸術教育デザイン室CONNECT/コネクト サイト→

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