2010年2月 3日 (水)

鬼のいる風景

Photo_2春近しを告げる雪が降り、今日は節分。
神楽坂界隈では毘沙門様をはじめ、
あちこちの寺社で豆まき大会が行われます。
(ミカンも飛んでくるので、結構スリリングなんですけどcoldsweats01

我が家では毎年、
娘が保育園時代に作った赤鬼さんが登場します。
普段はクロマニヨンの作業机の前にいますが、
愛嬌のある存在感で、今やすっかり家族の一員。
なので掛け声は「福は内!鬼も内!」。
(私も鬼だから、と約1名申しておりますが)。

雛祭りの’ちらし寿司’が馴染みの江戸っ子にも、
今やすっかり有名になった関西の?’恵方巻き’。
恵方に向かって、願をかけながら、無言で頂くのですね?
切らないのは、縁を切らないためだとか。

この習慣は最近まで知りませんでしたが、
なんとなくユーモラスです。
娘が「やってみたい!」と張り切っているので、
細めの納豆巻きで挑戦させよう・・。

そうそう、大久保のコリアン街に出ると、
(ここは、まるでN.Y.のダウンタウン!)
おいしそうな韓国風海苔巻きのお店が沢山並んでいます。
韓国海苔大好きなので、今年はこちらも食してみようかな。

明日は立春。いよいよ春がやってきます。
娘も今朝は布団からすんなり出てきて、
「なんだか冬眠が終わった気がする」と言ってました。
こどもの体は正直です。

体も自然の一部。
確かに立春を過ぎたあたりから、
心身共に’春モード’に切り替わっていく感じがしませんか?

日本の季節の行事は、まさにセンス・オブ・ワンダー。
おとなも楽しみながら、次世代に伝えていけたら素敵ですね。

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イラストがとっても可愛くてお気に入りの本。

Photo_4「知っているとうれしい にほんの縁起もの」
広田千悦子著 徳間書店

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2010年1月22日 (金)

奇跡のリンゴ

Ringoメディアでも紹介されてすっかり有名な本ですが、
「奇跡のリンゴ」をやっと読むことが出来ました。

不可能と言われた無農薬&無肥料のりんご栽培を
長年にわたる試行錯誤の末に青森で成功させている
木村秋則さんの足跡が綴られた農業の本。
ですがこれは、哲学、医学、経済、宗教・・・
とにかく、いろいろな読み方が出来る
奥の深い内容だと思います。
文章も平易で、物語としても面白い。
ここでは「育児書」として、是非ご紹介したいと思いました。
もちろん、これからお母さんになろうという女性にも。
自分の体を畑に置き換えて読むことが出来るのではと思います。

この壮絶なまでの’奇跡の’物語は、
木村さんの奥様が「農薬(化学物質)過敏症」だったことから始まります。
昨今のインフルエンザ・ワクチンの安全性の問題や、
自然の法則を証明するようなタミフル耐性ウィルスの出現、
このサイトでもアクセスの多い水イボの自然治癒・・・
人間の体に投与される薬も畑の農薬も、
処方の目的は一緒?と考えると恐ろしくもあり、
また「命を育てる」というくくりでは、
子育てもりんご栽培も、根っこの部分は一緒なのだと気づかされる本です。

木村さんも触れています。
最近のこどもたちに「免疫系」の疾患が増えているのは、
豊富な栄養や薬が、人間本来の生命力を弱めているせいかもしれないと。

人間だけが自然から切り離され生きていけると錯覚していると、
大事なことを見落としてしまうかもしれません。
逆に言えば、人間も自然のサイクルの一部だと考えると、
子育てで迷った時にも大きなヒントを与えてくれる一冊。
もちろん食べ物や薬に限らず、
社会や心の問題にも目を向けるきっかけになると思います。

「奇跡のリンゴ」

著者 NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」制作班,石川 拓治
販売元 幻冬舎
価格(税込) ¥ 1,365

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2010年1月 7日 (木)

センス・オブ・ワンダー

Image8571あっという間にお正月も明け、
皆様いかがお過ごしでしょうか。
年賀状、そして年賀メールを下さった皆様、
ありがとうございました。

私は来週のコンサートに向けて調整中。
ほんとにこの’調整’という言葉が、

年々身に染みるようになりましたgawk
心身共にコンディションを整えること。
実際に楽器に触れる以上に
演奏にとって大切なことになってきました。

非公開のホスピスコンサートでは、
Mother Songs 早春編
を予定しています。

大寒から立春までの、今の季節ならではの、
(寒さの中に春(希望)を感じられる)

そんなプログラムにしたいと思っています。

100年前の日本の童謡や唱歌は、
文部省唱歌として「作者不詳」となっているものも多いですが、
私が選ぶ作品は不思議と、

岡野貞一さんと、草川信さんの作品が多いです。
あとで知りましたが岡野さんはクリスチャン、
草川さんは御兄さんが教会でオルガニストをされていたとか。
どちらの楽曲にも、東洋的な中にも賛美歌の影響があるような気がします。
私はクリスチャンではありませんが、
最初に入った幼稚園が函館のカトリック教会だったので、
賛美歌を始めとする教会音楽は今でもどこか懐かしい感じがします。
私の即興演奏がよく馴染むことも、偶然ではないのでしょう。

あとは岡野貞一&高野辰之さんのゴールデンコンビはもちろん、
野口雨情(七つの子)、北原白秋(ゆりかごの歌)といった、
日本を代表する詩人たちの描く世界の可愛らしさ。

ちいさな命を愛で、自然を尊び共にあること。
まさに、レイチェル・カーソンが晩年に記した
「センス・オブ・ワンダー」そのものです。
それは彼女が言葉にするずっと前から、
私たち日本人(アイヌ民族も)の中にも、脈々と
存在している感覚です。

彼らの歌詞を思い浮かべながら(時に歌いながら)弾いていると、
私もどこかの里山にいて、
春の訪れを待ちわびる小鳥にでもなったような気持ちがします。
その何とも言えない喜びを、
音楽を通して一人でも多くの方と分かち合えたら嬉しいです。

「自然がくりかえすリフレイン~夜の次に朝がきて、
冬が去れば春になるという確かさ~のなかには、
かぎりなくわたしたちをいやしてくれるなにかがあるのです」
(センス・オブ・ワンダーより)

センス・オブ・ワンダー Book センス・オブ・ワンダー

著者:レイチェル・L. カーソン
販売元:新潮社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

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2009年12月29日 (火)

2009回顧録&ラジオデイズ

Image8501_32009年はインド、トゥバ、アフリカ音楽、
そして日本童謡・唱歌と共にある
日々だったので、
久しぶりにラジオで色んな音楽聴いて
気分をリフレッシュする。

この時期は年間チャートもやっていて新鮮。
大橋トリオさんのWinterlandが耳に残った。
http://www.youtube.com/watch?v=6ykSIZ1-38k

やっぱりラジオが好き。
これはもう、小学生の頃からずっと。
でもここは電波状況が悪いのか、
ノイズが凄いので普段はあまり聞かない。
(実は自分が出た昨年のバラカンさんの番組も聴いてない(ポッドキャスト)。

BGMでよく聴くCDは「高原の朝」と「セイシェルの海」。
フィールド録音の自然音ばかりなり。
音楽のCDは、心身共に集中できる時にしか聴かない。

映画もあまり観ない年だった。
そんな中で「スラムドッグ$ミリオネラ」が秀逸だった。
今年最後に見たのは「いのちの山河~日本の青空Ⅱ~」。
びっくりするくらい号泣した。
良心に基づいたよい映画だったけど、
別の悲しい気持ちのはけ口となってしまった。


本は、このところ昔読んだ本を読み返している。
宮澤賢治の一連の作品。
特に「銀河鉄道の夜」「風の又三郎」「やまなし」「セロ弾きのゴーシュ」。
レイチェル・カーソンの「沈黙の春」と「センス・オブ・ワンダー」
(この2冊はいつか詳しく)。
特に「センス~」は、20年くらい前に読んだ時は本当の意味で実感がなかった。
子供を育てる中での実体験をもった今、
ひとりでも多くの人に読んでもらいたいと心から思う。


あと「聖★おにいさん」の第四巻も、やっと読めた。
相変わらずの聖なる笑いの世界感に、師走も忘れて和む。

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2009年7月13日 (月)

赤シソ酢ジュースと真珠とドングリ

Image5691■というわけで、これが夏を乗り切る赤シソ酢ジュースです。
(作り方は簡単)
①赤シソの葉(売ってる一束全部)を摘んで洗う。
②鍋に2リットルの水を入れ沸かし、葉を入れる。
③葉から赤い色素が抜けて、緑になるまで煮る(3~4分)。
④煮汁を漉す。
⑤漉した液に、りんご酢2カップ、キビ糖400グラムくらいを入れる。
⑥再び火にかけて、30分煮詰める。
⑧冷めたら5倍くらいに薄めて飲む(サイダーで輪っても可)。
酢を入れて煮詰める時はホーローかステンレス鍋で。
保存は煮汁で洗ったか、乾いたガラス瓶で。

昨日は投票のあと、ARTKITCHEN703さんでデザイン緊急会議。
その後、勝どきから銀座まで歩きました。
隅田川や東京湾、水のある町は新宿よりも空気がきれい。
アスファルトの照り返しは暑いですけど、
下町ならではのお店を眺めながら歩くのは楽しい。
久しぶりに日曜日の銀座に着いたら、人がいっぱいgawk
そうかあ、夏のSALEだもんね、と。
結局、子どものものだけ買って、
CD屋さんに入って、その商品数の多さに溜息をついて・・・。
さっさと退散しましたcoldsweats01

Image5701■銀座・ミキモトの前では真珠玉のような風鈴が涼しげです。
前回のCD「Peace and Quiet」では、
実はミキモト名誉会長宅&ホールのピアノ(スタインウェイ・フルコン)を弾かせて頂いてます。
会長ご自身は少女時代はピアニスト、その後ピアニストの筋力トレーナーもされていて、最近は関連本も出版されているようです。
’ピアノを弾く’という行為を科学的に分析された、国内では先駆け的な方なんです。私は直接ご指導を受けたことはありませんが・・。                     

                                                      

Image57111
■先週に引き続き、キノコ探しに出かけた小鳥隊長&クロマニヨン。
今回は撃沈だったようす・・。
二葉の出たドングリがいっぱい落ちていたそうで、ひとつ持ち帰って植木鉢に植えていました。
これからどうしようか・・できればどこかの森に戻してあげたいけど。
                                   

                              

                            

                                                         
                               

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2009年7月 5日 (日)

キノコ日和

おるがん社さんのブログがなんだかとっても楽しそうで、
「私もキノコ見つけた~い!!!」
と、朝から小鳥隊長にせがまれたので、

地下鉄で行ける森、明治神宮へ行ってきました。

先月のCDデザイン打ち合わせ以来だから、ほぼ一ヶ月ぶり。
森の緑が一段と深くなって、
生きものたちの気配も色濃くなっていました。


小鳥隊長、今日はキノコ隊長に大変身!
「キノコを探す」という行為は、なぜにこうも人を熱くさせるのでしょうか。

Image5511_2 Image5551 Image5561 Image5571 Image5581 

Image5531_2昨夜の雨も手伝って、ありましたよ、こんなに沢山!(って、ほんの一部です)。
左の写真のキノコは縦横20センチ近くありました!傘に雨がたまって、二本が寄り添う姿が何とも美しい・・。
Image56011_2最後には落ちていたメジロの巣まで見つけて(さすが小鳥隊長!)

こうなると、来年の梅雨時も楽しみになります。
明治神宮のキノコ観察は初めてでしたが、とっても楽しかったです。
ただし神聖な杜ゆえ立ち入り禁止区域も多いので、ご注意を!

森のきのこ (絵本図鑑シリーズ) Book 森のきのこ (絵本図鑑シリーズ)

著者:小林 路子
販売元:岩崎書店
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2009年6月23日 (火)

ごきげんな裏階段 原画展

ごきげんな裏階段 (シリーズ本のチカラ) Book ごきげんな裏階段 (シリーズ本のチカラ)

著者:佐藤 多佳子
販売元:日本標準
Amazon.co.jpで詳細を確認する

原画展のお知らせ
6月23日~6月28日(日)13時~19時(最終日16時)
場所・
Gellery  花影抄(文京区・根津)
http://www.hanakagesho.com/


■もう6年も前になりますが(驚)。
CD「月の栞」で素敵な木版画ジャケットを制作して頂いた
小平彩見さんから、
先日これまた素敵な本が届きました!
一昨年に映画化された「しゃべれども しゃべれども」の原作等で知られる
佐藤多佳子さんの児童文学(復刻版)の挿画を手がけられたそうです。
どこか懐かしい雰囲気の、赤い色が印象的な表紙。
荒唐無稽なんだけど、とってもリアルにイメージが沸いてくる、
ちょっと不思議で、ワクワクする三編の物語です。

■そんな彩見さんも今秋には二児のママになる予定。
銀座のCD店で「空ノ耳」を見つけて下さって、
娘を出産したばかりの私に突然メールを下さった衝(笑)撃の出会いから、
ずいぶん月日が経ちました。
あのメールがなかったら、私はそのまま育児に専念してたかも・・(笑)。
丁寧に時間をかけたものは色褪せずに残っていくと、
今しみじみ感じています。
作品は人を、人は作品を導いてくれるのでした。

                                                              ■こちらはモノトーンで表現された月の世界。音の共演は坂田梁山さん(尺八)、石川高さん(笙・竿 う)■

月の栞 Music 月の栞

アーティスト:ササマユウコ
販売元:インディペンデントレーベル
発売日:2003/09/26
Amazon.co.jpで詳細を確認する

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2009年6月 7日 (日)

聖☆おにいさん

聖☆おにいさん 1 (モーニングKC)
カトリック系の学校でいちばん熱心に受けた授業が「仏教入門」だった私にとって、
この「聖☆おにいさん」。
ゆるーい感じで、久しぶりに’ツボ’にはまってしまいました。
ちょうど瀬戸内寂聴さんの「釈迦と女とこの世の苦」を読んだとこなので、

特に釈迦(ブッダ)がぐっと身近(リアル)な存在に。

聖人のテレビは地デジ非対応の17インチだし(うちは15インチだけど^^;)、
人生ゲームでは最後まで財も家族も持たず一人だし・・・。
って、そういう細かいギャグも含めて、全体の空気感が好きです。
大きな’愛’を感じる。
ただし、国によっては(いろんな意味で)物議を醸し出しそうな内容・・。

このくらいざっくりした宗教観ならば、悲惨な戦争も起きないのにネ。

ついでに、ひろさちや氏の「まんだらのこころ」も読みました。
仏教とキリスト教に触れた簡単な本を参考書にしながら読むと、
面白さ倍増だと思います。
予備知識なくても面白いとは思いますが。

ヨガを始め、インド・マイブームも続いてます。
ヒンドゥー教も興味がつきませんし、
陽気が暖かくなると、体内のインド度が自然に上がるのは確か。

9月21日には、山梨の森の中で開催される
「生きものの音」in白州に出演します。
インド(シタール、タブラ)、トゥバ(フーメイ、イギル等)、
アフリカ(ムビラ)、北米インディオ(インディアンフルート)音楽の
第一線で活躍されている皆さんとの共演。

どんな感じになるんだろう・・まさに音の曼荼羅です。
8月のリハが楽しみ♪
この詳細は後日ご報告しますね。

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2009年4月18日 (土)

散歩日和

Image3891_2 ■朝ベランダに出ると、小鳥隊長の念願だったスズメの交尾を目撃・・・ coldsweats01 「コービ、コービ!」とうるさいので、「結婚式」と言いましょうと軽く性教育も始まりつつ、また代々木公園にサイクリングに行く。さすがにお日柄もよく、歩行禁止のはずのサイクリング道路にも人が溢れていて、ヒヤヒヤイライラしながら娘の後を追って自転車をこぐ。二週続くと少しスピード感も出て、風と一体感を感ることが出来て、娘はとても楽しかった様子。こちらは腰くだけbearing

■人混みを覚悟して、年々大きなイベントになるEARTH DAY TOKYOへ。マイ箸とマイカップは持参したものの、マイ皿を忘れるbearing食器貸し出しが凄い行列だったので、小田原オレンジ・プロジェクトの絞りたてオレンジジュースや、福島の園芸屋さんのたまご色のスコーンをいただき(これが滅茶苦茶おいしい!)、千葉にある自然塾の無農薬玄米を2キロ1000円で購入(安い!)して早めに退散。Image3871_2

■地方ブースも増えたり、自分が年を取ったのか世代交代も感じて、ここまで大きなお祭りになると「結局アースデイのテーマって何だっけ?」という感じもありながら・・・それでもやっぱり食からのメッセージは、難しいこと抜きに強いと思う。悔しいけど、音楽や言葉よりも五臓六腑にダイレクト(お腹空いてたしcoldsweats01)。「おいしい!」(あきらかに素材の味が違う)、という体験は子供もすぐわかる。そして「どうして」おいしいのか。そこのところを、もう少し大きくなったら自然にわかってくれると嬉しいな、と思うのでした。

■お米を持って、久しぶりに裏原宿やクレヨンハウスなど。小鳥隊長は貯金をはたいて、鈴木まもる氏の「鳥の巣の本」を購入。巣作りから見える鳥の人生模様は、そのまま人間にも置き換えられて鳥がぐっと身近な存在になる、とても面白い本です。

鳥の巣の本 (絵本図鑑シリーズ) Book 鳥の巣の本 (絵本図鑑シリーズ)

著者:鈴木 まもる
販売元:岩崎書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

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2009年4月 1日 (水)

2冊の間にある お母さんの時間

Image3411_3ここ連日、夜10時頃になると市ヶ谷の防衛省上空にヘリコプターが飛び始め、騒がしくなります。ニュースによれば’迎撃ミサイル’が配備されたとのことですが、国はこっそりやるんですね、こういう大事なことほど・・。テレビをつけると戦艦やミサイルの物騒な映像が流れています。でも、今ひとつピンと来ない・・・・。それが今の私です

■私の手元に二冊の古い雑誌があります。上は昭和6年発行の婦人倶楽部の付録。そして下が、戦後焼け野原の銀座から産声を上げた昭和23年発行の暮らしの手帖創刊号。以前、浦安のギャラリー・どんぐりころころさんに前田一郎さんの硝子を観にいった際に、たまたま近所で蔵を整理している旧家があって「好きな本持っていって!」と。その時は記事が面白そうだと、発行年も見ずにこの二冊を手にしましたが、実はそこには哀しい時間の流れがあったことに後で気づいて、愕然としました。

■それは、太平洋戦争。昭和6年(1931年)といえば戦争が開始される10年前。今と同じように世界恐慌の影響で日本は不景気だったのです。それでも婦人倶楽部付録の中では「黒豆コーヒー」や「手作りキャラメル」「トマトソース」の作り方などが紹介されていて、そこには今と変わらない(インスタントがある今よりも豊かな)食卓の光景が浮かびます。でも、国の外では満州事変が起き、戦争への扉は開いていたんですね。。そして本格的な戦争を迎えると雑誌の中身はこんな風に。たった10年で!同じ国の雑誌とは思えません。■たとえば自分のこの10年間(あっという間)を振り返ると、’市民が知らぬ間’の国の流れの早さに恐ろしくなります。黒豆コーヒーを作っていたお母さんたちが、10年後に食べるものすら無くなる戦争に突入するなんて想像していたでしょうか?Image3401_2

■そして、戦後に発行された暮らしの手帖。目次には「可愛い小もの入れ」「ブラジア(ブラジャー)パッドの作り方」「自分で作れるアクセサリイ」など、また平和な暮らしが戻りつつある庶民の生活が見えてきます。でも、そういう記事の間にも'戦争’の文字がまだ消えていません。随筆の中には「戦争が済んだ。軍服をぬぐんだ、一日も早く」「戦争の時は、私の家にも、私共の仕事場にもさかんに火が降った」など辛く生々しい記憶があります。

■怖いのは、戦争の始まりは「実感としてわかりにくい」ということ。戦時中でも、本当のことは何も知らされていなかった、と書かれています。キャラメルもコーヒーも、いつの間にか代用食になっている。そして大切な子供たちを、戦争の世の中に送りだしてしまうことのないように。今、ひしひしと母親の責任を感じます。

■私の祖母は戦後、農村のお母さんたちにもっと本を読む機会をと、「母親文庫」という活動をしていました。東京の出版社にかけあって募金や作家の講演会を企画したり、戦後を奔走したようです。当時、どこかの週刊誌が「戦後の母は強くなったものだ」とどこか意地悪な視線で、駅で作家を出迎える祖母達の姿を写したグラビア記事を掲載していました。祖母は生前その記事を私に見せながら「仕事は私の誇りだった」と言いました。彼女はもう、私の名前すら忘れていたけれど。本を読むこと、本当のことを知る大切さ。戦争を経験した当時のお母さんたちは、身にしみて感じていたのでしょうね。

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