2018年9月 2日 (日)

芸術教育デザイン室CONNECT/コネクト代表として

この秋は2014年に立ち上げて5年目に入った「芸術教育デザイン室CONNECT/コネクト」の活動をふりかえる機会がいくつかあります。以下の文章は専用Facebookに掲載して反響も大きかった記事なのでこちらにも転載します。「場の在り方」を通して自分の頭の中にあるサウンドスケープを提示してきたつもりはありますが、その場で言葉で伝えることはあまりしてこなかったのかなと。だから肩書「音楽家」なんだけど...とも思いつつ、やはり世界は言葉で出来ていることをあらためて実感する今日この頃です。ちなみに今後は非言語コミュニケーションを中心に考察するだろうことはかなり明確に見えてはいるのですが、またこれも難題です。サウンド・エデュケーションについても弘前大今田研究室の最新研究と連動しながら、音楽教育の新しい視点も紹介していけたらと思っています。

2018コネクトには時おり若い研究者(の卵)やアーティストが訪ねてこられます。昨日も「言語人類学」の領域から手話や音楽を研究する東京大学の院生さんが遊びに来て下さいました。私の「頭の中を知りたい」ということで、さてこれがなかなか難しい。有機的につながっていく活動の「音の風景(サウンドスケープ)」を言葉化することに3時間苦戦しました。反対に「インタビュー」して頂くことで思考が整理されていくことも多々ありました。なので、今後インタビューは積極的にお受けしたいと思いました(笑)。
 2014年に立ち上げた「芸術教育デザイン室CONNECT/コネクト」は、もともと2011年の東日本大震災を機に弘前大学大学院今田匡彦研究室でサウンドスケープ(耳の哲学)研究を始めた音楽家・ササマユウコの実践拠点としてスタートしました。オフィスは相模原市立市民・大学交流センター内にある任意団体です。公共施設を拠点に選んだのは同時期に「まちだ市民大学」に仕事で関わり「さがまちコンソーシアム」の存在を知ったという経緯もあります。
 コネクトは「つなぐ・ひらく・考える」をテーマにプロジェクトごとにチームを編成する「中心点」のような存在です。当初は民官の中間支援的な活動も考えましたが、サウンドスケープの内側=市民(アーティスト)主体で小回りが利く有機的な活動の在り方を模索しました。今年度は地域活動を視野に入れたアーティスト・イン・レジデンスに沼下桂子さん(女子美術大学版画研究室講師)にも関わって頂いています。
 大学と団体よりは、研究者と芸術家、顔の見える「個人と個人」のつながりを大切にしています。その小さな活動の密度に、今の時代に置き去りにされがちな「個の力」の可能性を感じます。外からはなかなかわかりづらいですが、この「個」が「音の風景(サウンドスケープ)」のように編まれている活動だとご理解頂けると嬉しいです。これは弘前の研究室がここ数年掲げている「小さな音楽」という概念に共鳴しています。
 これまでの主なプロジェクトには、「路上観察学会分科会」(異分野アーティスト交流)、「空耳図書館のはるやすみ」(子どもゆめ基金助成事業)、「即興カフェ」(新しいオンガクの実験)、「協働プロジェクト 聾/聴の境界をきく」(2017アートミーツケア学会青空委員会助成公募プロジェクト)
等があります(活動開始順)。第一線で活躍するアーティストや研究者たちが分野を越えて「境界」に集まることで柔らかな場が生まれています。この他にも自治体の「音のワークショップ」等を個人的にお受けしていましたが、この1年くらいで個人活動とコネクトが不可分な存在になってきていると感じます。
 あくまでもその在り様(音風景)が「オンガク」であるように。もちろんそこには「ノイズ」も含まれますし、それこそが豊かさや多様性にもつながります。ではそのオンガクとは何か?何がオンガクか?というお話は、長くなりますのでまたどこかで機会を持ちたいと思います。長文失礼いたしました(サ)。

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芸術教育デザイン室CONNECT/コネクトの活動にご興味のある方は以下サイトのメール・フォームよりお問合せください。

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2018年8月27日 (月)

即興とピアノ

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 2011年3月11日以降、個人的に(心理的に)音が出せない時期が数年続いて苦しみました。文字を覚える前からピアノを弾いてきたので、それまでの生き方すべてが問われているような途方に暮れる時間でした。いわゆる「絆」や癒し系コンサートをお断りしていたらすっかりピアノを弾く機会もなくなり、混乱した社会の中で「音」を出す意味もわからなくなっていました。代わりに弘前の今田研究室を拠点に、それまであまり重きを置いてこなかった「言葉」に出会います。同時に学会発表や学会誌掲載の機会がわりと早く頂けたので、とにかく「オンガクをする自分」を見失わないように必死に言葉を追いかけていました。生活のこともありましたし、自分はこのまま言葉の世界に行くんだろうな、、と思いながら研究室でも生涯学習を担当していた自治体の職場でも、目の前にある鍵盤に触れることさえしなかったと思います。それまでの活動を知る人たちの目には「音楽をやめた人」と映っていただろうと思います。

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 ただその’修行’の中でも家族のほかに、ホスピスやカプカプや児童養護施設等、日常の延長線上にあるピアノを弾く機会がありました。また不思議なことに、自分の言葉が深まり始めると、音楽に限らず芸術や学術に商業ベースとは違うかたちで向き合う人たちとの素敵な出会いや再会の機会が増えていきました。2015年の秋頃からは言葉の構築と共に音楽と自分の関係性が「修復」されていった時期だったと思いますし、今もその延長線上にあります。

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Dsc00714体奏家・新井英夫さんとのキクミミ研究会、そして12月にはアーツ千代田3331レジデンス・アーティストJan&Angela(スイス)との「音を奏でる身体~動く音響」のコラボレーターとして2011年以降自分の中で膠着していた何かが解き放たれたと思います。そして一昨年の秋には思いがけず『フリープレイ~人生と芸術におけるインプロヴィゼーション』の著者S.ナハマノヴィッチ氏と訳者の若尾裕先生とご一緒する機会があり、即興ワークショップの現場では数年ぶりに「今、ピアノが弾きたい!」と心から思いましたし、おそらく2011年以降はじめて躊躇なく鍵盤の前に座ることが出来ました。またこの年の5月には映画『LISTEN リッスン』の共同監督牧原依里さん、雫境さんと出会い「音のない世界」聾者の世界にあるオンガクの存在を知り、『世界の調律~サウンドスケープとは何か』の最終章「沈黙」の本質に辿りついた気がしました。

 先日(17日)の「即興カフェ」では「ピアノを弾いてる時がやっぱりいちばん自分に嘘がない」と感じました。心は見事にまっさらな状態というか。特に「即興カフェ」はメンバーの鈴木モモ(ストリングラフィー)をはじめ、毎回のゲスト(等々力政彦さん、石川高さん、國崎晋さん、雫境さん、鎌田英嗣さんなど)のオンガク性に恵まれたこともあり、とにかく余計なことを考えずに即興に臨めるリアルで正直な世界でした。この感覚を大切にしたいと思いますし、参加者の皆さんとも共有しながら様々なサウンドスケープが編まれていくといいなと思っています。また20代から幅広い世代の人たちが音楽性の趣向に関係なく楽しめるオンガクの場となっていることも「即興カフェ」の特徴だと思っています。

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ピアノの演奏は指先の技術だけでなく、長時間弾いても疲れにくい身体の使い方(呼吸法や全身のバランス)、そして何より鍵盤の前で「耳をすます|ひらく」、精神をニュートラルに保つ意識が必要です。オンガクは時間だけでなく関係性の芸術でもある。ピアノと空間と自身の関係性を音の風景として編むような「サウンドスケープ」の意識を忘れずに、「即興カフェ」では共演者の皆さんとは一期一会の即興的な対話、非言語コミュニケーションを生み出していけたらと思います。
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「サウンドスケープの哲学から新しいオンガクのかたちを実験する」即興カフェ。
ジャズやクラシック、従来の音楽セオリーからも自由になった「音」そのものに向き合うような、サウンド・エデュケーション的な即興を実験しています。また音楽教育(ワークショップ、レクチャー)、インスタレーション(オンガクと美術の融合)もめざし、三つのプログラム(①実験②即興ワークショップ/講座③インスタレーション)から多角的に「即興とは何か」「オンガクとは何か」を皆さんと一緒に考え、感じて行ける場をこれからも作っていきたいと思います。
Fb_img_1516493611163 ご興味ある方は「芸術教育デザイン室CONNECT/コネクト」内の「即興カフェ」までお気軽にお問合せください。またワークショップやインスタレーションの出張のご依頼もこちらで承ります。どうぞよろしくお願いいたします。
(音楽家/即興カフェ・プロデューサー/芸術教育デザイン室CONNECT/コネクト代表 ササマユウコ|YukoSasama)
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※写真は主に2016年以降の『即興カフェ』の様子から。場所は音と言葉・HADEN BOOKS(南青山)、HalfMoon Hall(下北沢)、仙川・森のテラス(調布)、JIKE Studio(ミロコマチコ展withカプカプ)など。イラストはインドTARA BOOKSから絵本を出版されたKoki Ogumaさんです。

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杉並公会堂10年前の2008年頃でしょうか。即興ではなくMother Songsのプログラムを弾いています。

CD『MotherSongs』の某スタジオ録音風景(2009)

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2018年8月19日 (日)

「即興カフェVol.6 真夏の夜に|言葉のない対話」ご参加ありがとうございました。

 お盆明けの金曜日に、協働プロジェクト「聾/聴の境界をきく」 とのコラボ企画として開催した第6回「即興カフェ」を実施しました(下北沢HalfMoon Hallにて)。ご参加いただいた皆様ありがとうございました。

 写真ではいわゆる「パフォーマンス作品」に見えますが、前半では雫境さん(聾の舞踏家)、鈴木モモ(ストリングラフィ)、ササマユウコ(ピアノ)が音のある|ない世界を行き来しながら、特定の役割やシチュエーションを決めることなく、登場順だけを決めて50分間の即興的な「対話」を実験しています。音楽的なルールからは自由に、ただし音楽的意思をもった身体によるコミュニケーションです。後半は写真がありませんが、参加された皆さんを交えて、米内山陽子さん(劇作家)の手話通訳を通した言葉による対話の時間をシェアしました。即興カフェFacebookで前半の写真がアルバムになっていますので、よろしければ雰囲気だけでもご覧ください。後半の対話は、また後日レポートしたいと思います。
目と耳で楽しむ新しいオンガクのかたちの実験。今回は聾/聴、音楽/美術、言葉/非言語の境界、また小さなチームながら20代から50代が集まる世代間交流の場ともなり、さまざまな可能性が示唆される場となりました。ご参加いただいた皆さまからも客観的な視点をシェアすることができて、主催者側にとっても有意義な時間となりました。どうもありがとうございました!
即興カフェ・プロデューサー:ササマユウコ
  http://www.facebook.com/improcafe

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(C)即興カフェ2018
第6回「真夏の夜に|言葉のない対話」
実験した人:雫境(舞踏)
鈴木モモ(ストリングラフィ)
ササマユウコ(ピアノ)
前半 50分間の非言語即興セッションより
即興カフェFacebook よりアルバムがご覧いただけます。
●今回の考察を芸術教育デザイン室CONNECT/コネクトのブログ「コネクト通信8月号」に掲載しています。

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2018年8月16日 (木)

即興カフェ⑥『真夏の夜に|言葉のない対話』 明日開催です。

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「サウンドスケープの哲学から新しいオンガクのかたちを実験する音楽家のプロジェクト」即興カフェ。明日17日午後7時より第6回『即興カフェ 真夏の夜に|言葉のない対話』を開催いたします!

◎ご予約は本日まで。当日もあります。詳細はこちら→

 今回は二部構成。1月の即興カフェでは「音と言葉のある風景」をテーマに、あえて「言葉」にしばられることから表出するオンガクや即興を実験しました。
 今回は反対に、前半は言葉のない即興セッション(出演:雫境/舞踏、ストリングラフィ/鈴木モモ、ピアノ/ササマユウコ)を、後半では参加者を交えて「言葉」による対話をします(手話通訳:米内山陽子(劇作家)。「言葉のある|ない」、「音のある|ない」、さまざまな「境界」を行き来しながら、目と耳でオンガクの時間を旅します。協働プロジェクト「聾/聴の境界をきく」(助成:2017アートミーツケア学会青空委員会)とのコラボ企画としても捉えています。

 カナダの作曲家M.シェーファーが著書『世界の調律』(平凡社ライブラリー)の中で「サウンドスケープ論」を提唱したのは今から40年前。耳/音から世界を「音の風景」として捉え直す先駆的な考え方は、むしろ音楽専門領域に受け入れられるまでに時間を要しますが、この著書の最終章では「沈黙」が扱われています。ちょうど2011年から弘前大学今田匡彦研究室でサウンドスケープ研究をはじめて、「沈黙」に辿りついたところで、今回のゲストであり協働プロジェクトのメンバーである聾の舞踏家/雫境さんに文化庁メディア芸術祭の「聾者、視覚障害者の鑑賞ワークショップ」で出会いました。サウンドスケープに興味があるという雫境さんは、それから2年後の2016年に牧原依里さんとの共同監督で聾者の音楽映画『LISTEN リッスン』を発表します。その上映アフタートークに呼んで頂いたご縁で、2017年の協働プロジェクトにもつながりました。
 「これは音楽なのか?」という無音映画『LISNTE リッスン』の問いかけは、まさに衝撃でした。私は今までに数回この映画を観ていますが、彼等の世界にある「音のないオンガク」を感じています。そこには旋律やリズム、ハーモニーや歌など、さまざまな音楽の要素がある。音楽的意思をもつ身体の内側からは聴者/聾者に関わらず、サウンドスケープをデザインすることができるという確信のもとに、今回の実験にも挑んでみたいと思います。
 作曲家・水嶋一江さんが考案したストリングラフィは「音/音律」を糸電話の原理で視覚化した楽器とも言えます。水嶋さんアンサンブルの主要メンバーである鈴木モモのソロ・プロジェクトでは、糸は音律よりも空間インスタレーションとして張られ、「音響装置」として奏でています。その音は時に人の声のようでもあり、自然界の音風景のようでもあり、宇宙的な音響空間を編み出します。
 今回は、私の即興ピアノと彼女の糸の間には「音」が存在しますが、雫境さんはふたりの「奏でる身体」や空気そのものの共振を視覚だけでなく、皮膚感覚でも捉えているのではないかと思います(このあたりは後半の対話で伺ってみたいな)。
 もちろん出演者同志の身体や音の対話だけでなく、参加者の皆さん、楽器(モノ)や空間、そして時間との対話も要素として絡んでくると思います。「オンガク」とは何か。何が「オンガク」か?今回は耳と目で楽しんで頂ければ幸いです。

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即興カフェVol.6
「真夏の夜に|言葉のない対話」
18時40分会場 19時スタート
実験する人:雫境、鈴木モモ、ササマユウコ
手話通訳:米内山陽子
協力:松波春奈
ご予約2500 当日3000
@下北沢Half Moon Hall 

ご予約 improcafe.yoyaku@gmail.com 
http://www.facebook.com/improcafe/

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2018年7月19日 (木)

「即興カフェ」とは何か?

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即興カフェ」とは何か?もともとは2011年から2013年まで、プロデュース担当のササマユウコが所属した弘前大学今田匡彦研究室の2015年出前講座「音楽×やさしい哲学カフェ(ゲスト:弘前大学今田匡彦教授@日本橋DALIA)からスタートしています。その後ストリングラフィの鈴木モモさんがコアメンバーとなり、「サウンドスケープの哲学から新しいオンガクのかたちを実験する」を合言葉に、そもそも音楽に「かたち」があるのか?ということも含めて、ワークインプログレス形式やゲスト講師のレクチャー、お茶会や「おみくじ即興」などを実験してきました。ですので、開催する場所や空間の雰囲気、メンバーやテーマによって毎回対話のスタイルや内容が変わります。このイベントそのものが即興の場となるように。  第6回となる8月17日の会場はとても響きが心地良い「ホール」です。今回はこの特性を活かして、前半が2017協働プロジェクトをご一緒した映画『LISTENリッスン』の共同監督で舞踏家の雫境さんをゲストに、空間と身体と音を共振させる即興セッション「言葉のない対話」、後半が劇作家・米内山陽子さんの手話通訳を交えた出演者・参加者との「言葉のある対話の時間」を予定しています。  前半の即興セッションで出演者たちの間に何が起きていたのか?皆さんと共に「きく」「非言語のコミュニケーション」「音楽とは何か?」等を話題にしながら、ざっくばらんに考えていきたいと思います。当日は下北沢の阿波踊り前夜祭のようなので、商店街の雰囲気を味わいながらどうぞお気軽にご参加ください!

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◎即興カフェ http://www.facebook.com/improcafe

お申込み受付中:improcafe.yoyaku@gmail.com

お問合せ:芸術教育デザイン室CONNECT/コネクト tegami.connect@gmail.com

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2018年7月 4日 (水)

予約受付中!『即興カフェ Vol.6 真夏の夜に|言葉のない対話』

【お申込み受付中!】

詳細は専用ページ http://www.facebook.com/improcafe/

『即興カフェ Vol.6 真夏の夜に|言葉のない対話』
8月17日(金)夜7時~8時30分 下北沢Half Moon Hall
対話する人
ゲスト:雫境(舞踏家)×即興カフェ|鈴木モモ(ストリングラフィ)・ササマユウコ(ピアノ)

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音のある|音のない、言葉のある|言葉のない世界を行き来しつつ、空間と身体を共振させる即興セッションを実験します。
言葉のある対話(手話通訳:米内山陽子)
お問合せ・お申込み(7月1日より)
improcafe.yoyaku@gmail.com
件名「真夏の夜に」参加希望 お名前、人数、連絡先を明記の上、上記メールでお送りください。
協力:松波春奈
共催:協働プロジェクト「聾/聴の境界をきく

主催・即興カフェ|Produce:Yuko Sasama  Curate:Momo Suzuki

お問合せ:tegami.connect@gmail.com (芸術教育デザイン室CONNECT/コネクト内)

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2018年5月21日 (月)

即興カフェ『新月の弦月』公開実験

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8月17日(金)夜に開催予定の即興カフェVol.6『真夏の夜に|言葉のない対話 nonverbal dialog』(ゲスト:雫境・舞踏家)に向けて、ゲストを想定した「音のミエル化」や「境界」を意識した公開実験を行いました(5月15日新月・下北沢NewMoon Hall)にて。
 ホールにあるグランドピアノとアップライトをストリングラフィでつなぎ、ポストクラシカルやノイズ系を彷彿させる音風景で抜けのよいホールの空気が満たされていきました。途中、体奏家・新井英夫さんが飛び入りで参加して下さり、半月型のホールをすべて「楽器」に見立てた1時間の即興パフォーマンスが実現しました。モノとオトの関係、響き合う自由な時間。アーティストが最もアーティストとして存在できる貴重なひとときに、数年ぶりに音そのものに集中することが出来たと思いました。ここのピアノの響きはとても美しいです。
 8月の本番に向けて、今回の実験をもとにしたワークショップも予定しています。詳細は以下の専用サイトで告知しますので、ご興味のある方はお気軽に覗いてみてくださいね。雫境さんとの協働プロジェクト「聾/聴の境界をきく~言語・非言語対話の可能性」の応用編としてもおすすめです。


次回:即興カフェVol.6『真夏の夜に|言葉のない対話 nonverbal dialog』。
8月17日(金・19時開演)予定 @下北沢Halfmoon Hall

次回ゲスト:雫境(舞踏家)
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音のある世界|音のない世界、言葉のない対話|言葉のある対話、その境界を即興カフェ(ササマユウコ、鈴木モモ)とのセッションや対話の中で行き来します。

即興カフェ Facebook専用ページ
http://www.facebook.com/improcafe/

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2018年3月 3日 (土)

「即興カフェVol.3 音と言葉のある風景」より

1月20日に開催した即興カフェを、昨秋にインドTARA BOOKSから絵本を出版されたばかりのKoki Oguma (おぐまこうき)さんが素敵なイラストにしてくださいました。ありがとうございます!(ササマが幅をきかせておりますが(笑)。HADEN BOOKSさんのピアノは素敵な音がしましたよ)。

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「即興カフェVol.3 音と言葉のある風景」
2018年1月20日(二十日正月開催)
音を編む人: 石川高(笙・古代歌謡)
鈴木モモ(ストリングラフィ)
ササマユウコ(アップライトピアノ)
言葉を編む人:國崎晋(Sound&Recording編集人)
場所:音と言葉のHADEN BOOKS
イラスト(C)2018 Koki Oguma
即興カフェはサウンドスケープの哲学から新しいオンガクのかたちを実験する音楽家たちのプロジェクトです。お問合せは以下専用ページよりお願いいたします(当日動画あり)
 Facebook専用ページ http://www.facebook.com/improcafe/

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2018年1月24日 (水)

(記録)即興カフェVol.3@HADEN BOOKS『音と言葉のある風景』笙・ストリングラフィ・ピアノ・言葉

即興カフェVol.3『音と言葉のある風景』

2018年1月20日(土・二十日正月) 実施
音を編む人:石川高|笙・古代歌謡
鈴木モモ|ストリングラフィ
ササマユウコ|アップライトピアノ
言葉を編む人:國崎晋(Sound&Recording編集人)

会場:南青山 音と言葉HADEN BOOKS
協力:浦畠晶子

「即興カフェ」はサウンドウケープの哲学から新しいオンガクのかたちを実験する音楽家たちのプロジェクトです。不定期開催中。

◎当日(2時間)のダイジェスト版(約6分)はこちらからご覧いただけます。
http://www.facebook.com/improcafe/

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2018年1月21日 (日)

【満員御礼】即興カフェ3「音と言葉のある風景~What's is Music?」

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2018年1月20日(土・二十日正月・大寒)。青山にある素敵なブックカフェHADEN BOOKSにて開催された『即興カフェVol.3 音と言葉のある風景』。当日偶然にお立ち寄り頂いた方も含め、定員を越えるお客様と共に楽しく終了いたしました。ご参加頂いた皆様、ありがとうございました。
 今回は『音と言葉』をテーマに、演奏者たちがあらかじめ提出した言葉をおみくじにした「コトバ譜」を使いながら、言葉との偶然の出会いと即興セッションを試みたり、古代歌謡の歌詞を現代語に置き換えて言葉の時空を越えたり、言葉と音についての談義をしたり、さまざまな実験と対話を繰り広げながら、通常のコンサートとは一味違う「音楽の時間」をお楽しみ頂きました。(写真はリハ風景)

 言葉の枠に音を閉じ込め、あるいは言葉から解き放たれたりする中で、内側から出てくる音や共演者(他者のオト)との関係性の変化が参加者の皆さまと共に実感できたのが興味深かったです。結局最後は「音楽に言葉はいらないのでは?」という「本日の結論」で参加者一同が納得したかたちとなりましたが、言葉によって「しばられる」ことで反対に生まれるクリエイティビティも発見できたことは興味深かったです。
 「ロゴスに囚われるな」とは、哲学音楽論を展開する弘前大学今田研究室でも合言葉のように言われていましたが、2011年以降、自らの音楽の拠り所として言葉(ロゴス)を探求していくうちに、いつの間にか「根源」を忘れつつあったかもしれないと、個人的には初心に戻るような時間となりました。またアップライトピアノをひとつの「音の箱」と捉え直し、平均律を脱構築するような試みもしてみました。現代音楽のプリペアドピアノとは違いますが、鍵盤だけでなく楽器全体を「音具」とみることで、アップライトの可能性は一気に広がる気がします。アナログでどこか滑稽でもあり愛らしくもある機構の仕組みも含め、最近は近代化の工業製品と楽器の間に存在するようなアップライトピアノへの興味が尽きません。
(写真はストリングラフィの糸を括りつけたところ)。

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坂本龍一氏の新作『Async』を始め、いまや世界的な笙奏者となった石川高さんとは、実は15年前にCD『月の栞』(ササマユウコ・坂田梁山・石川高)でご一緒しています。その後は2008年に新宿区のプラネタリウムにて、斉藤鉄平さん作の波紋音とピアノの共演なので、今回は実に10年ぶりの再会となりましたが、時の流れを感じることはありませんでした。そして今回のもうひとりのゲスト『Sound&Recording』編集人の國崎晋さんは、実は石川さんと同じ大学の哲学科ご出身。(かくいう私も同じ大学の教育学科の出身です・・)。同じ時期に狭い四ツ谷のキャンパスに通いながら一度もお目にかかったことがなく、こうして卒業後に音楽の糸で巡り合った不思議な関係なのでした。今回、空間に張り巡らされた鈴木モモさんのストリングラフィが、細くつながる時間の糸を象徴しているようでした。
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受付をお手伝いして下さった浦畠晶子さんも音楽家・ピアニストで、こちらも実は20年来の劇場仲間です。
音楽によってつながる人の縁。それが糸のように編んでいく音の風景が、今回のいちばんのサウンドスケープだったかもしれません。会場の皆さんもとても暖かい雰囲気で、即興の緊張感はありましたが果敢なチャレンジも出来たかなと思います。ご協力頂いたHADEN BOOKS林下さまも、ありがとうございました。

◎サウンドスケープの哲学から新しいオンガクのかたちを実験する音楽家たちのプロジェクト「即興カフェ」は不定期で開催しています。
次回告知はFBの専用ページ をフォローしてくださいね。http://www.facebook.com/improcafe/

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